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2022/04/07

木肌の面白さと粗朶柵工?

   木の肌が面白く         
曇天の日だったけれど、井の頭公園の池端を野鳥の姿を狙って歩いていると…。
見慣れたカモ類より池の端の木の肌が気になり…。
樹木は種類によって、肌がさまざまな模様を描き、それだけでも楽しいけれど、同じ種類でも、下部、中ほど、上部とそれぞれにパターンが異なって、これもまた楽しい。
この木の池側を見ると、深い池の一部に囲いをし、浅い部分を作り、異なった環境を作ってある。
以前ここでコサギが小魚を探していた。
土留めの木はだいぶ傷んでいるけれど、園内の伐採木を利用した柵かもしれない。

公園内の他の場所(下の写真:2枚)には、明らかに園内の剪定枝を用いた土留めの仕掛けがある。
これらは「粗朶柵工(そださくこう)」…と、土木の分野で呼ぶ工法。
つまり小規模な法面(のりめん)や法裾崩壊(のりすそほうかい)の
防止の土留め等に採用される工法。
柵は透水性が良く、背面からの雨水や湧水などの排水が容易にできる。
様々な太さの枝が絡み合うので、土の流出・流入も防ぐ。
池端では柳などの植物を植えて法面保護をするけれど、苗が活着し成長するまで法面保護ををしてくれる。
活着したころ、粗朶は腐って自然に還る。
この工法、素材と材料の組み方を工夫すれば、施工場所・方法がさまざまに工夫できる。
何よりも、プラスチック素材とは違い、風雨にさらされると長持ちはしないけれど、天然素材だし、そもそも地産地消。
つかり、これらの枝や幹は人間に切られても、生まれ育ったその場所でまだしばらくの間、役に立ってくれている。
つまり、環境にも生き物にも優しい。
生き物にやさしいのは自然素材であることに加え、コンクリート護岸のように表面が平らではなく、表面の凸凹や枝の間に隙間がたくさんあるから、ちいさいいきものの住処になったり、隠れ場になったり、卵を産んだりできるから…。
手間はかかるし、材料はその場にあるものを使うから、公共事業では見積りをしにくいし、そもそも請け負っても、請け負った会社は利益にはなりそうもない。
この場所は、かいぼりなどを実施したNPOが管理している場所かもしれない。
NPOの仕事なら利益を目的としないから、こういう工法も採用されるのだろうけれど、、、環境にやさしい工法だから、もっと身近な場所でも採用されるといいのだけれど…。

〈おまけ〉
井の頭公園は、ローボート、サイクルボート、スワンボートといろいろなボートが借りられる。
デザインが環境にあっているかはさておき、写真的には面白いので、おまけに…。
こっちは普通のローボート。
雪の降った日にでも、モノクロ写真にするときれいかも?
文章:小池常雄
写真:   同
撮影地:井の頭公園
撮影日:20220220
ブログ編集:小池常雄

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