次の活動実施予告・実施済の報告


〇 第12回特別活動は、「茎ブロッコリー・ハクサイ菜の花を収穫しよう!」を3月24日日午後の実施しました。次の特別活動の実施日・内容は未定です。
〇第12回定例活動は「畑のお世話~種ジャガイモの植付など」は3月9日土を翌10日日午後に延期して実施済です。

2014/06/14

活動報告 2014年度 第3回 「プールのヤゴ救出大作戦!」


文:小池さん
写真:岡本さん、平嶋さん、小池さん




小池です。
本年度、第3回目(のべ4回目)の活動を実施しましたので報告をします。

梅雨入りから大雨が長く降り続いた関東地方でしたが、活動の前日あたりから雨がやみ、雲一つない絶好の好天となりました。天気予報では午後から曇ってくるはずでしたが、この予報は外れ、終日好天が続いた日になりました。

今回は「プールのヤゴ救出大作戦!」の延べ9回目の活動です。小学校の視聴覚室に集合して、活動を開始しました。

初めに、私から、今日の活動内容を説明しました。
なぜヤゴを救出するかのお話をしました。

このつくし野の地区は、もとは里山と畑や小川(地名で残っています!)が広がる地域であったけれど、その地区が開発され、トンボたちがくらしていた場所・環境を奪う形で、今、私たちが暮らしていること。トンボは羽があるので、飛びながら卵を産む場所を探し、ほかに水面がないので小学校のプールに仕方なく卵を産んでいること・・・をお話ししました。

今日、ヤゴたちを救出しないと、もう来週には、プール利用のため、水は下水道に流され、ヤゴたちの命が失われてしまう・・・だからヤゴたちを救出したい!!・・・とお話ししました。

ヤゴは去年秋、プールに産みつけられ、10回ほど脱皮をして、そろそろ成虫になる時期です。ヤゴたちの食べ物の話もしました。トンボは成虫も幼虫であるヤゴも肉食です。生きた生物しか食べないので、特に成虫になってからは飼うためには生きたハエやカを与えなくてはならず大変だという話をしました。

さあ、いよいよプールでヤゴの救出です。4つの班に分かれてヤゴを救出しました。

この日は気温が上がり、水着でも良いと事前に案内していました。でも、プールの水は水泳の時のように消毒されたきれいなものではないので、飲まないように…と注意しました。

実は今年は、午前中にプールの様子を確認した時、例年と異なっている状況に気づいていました。
① 例年、めったにいないヤンマと思われるヤゴの死骸が10匹以上見つかっていたこと(ギンヤンマのヤゴは40mmほどのはずですが、70mmほどあり、ギンヤンマにしては大型です。)
② アカトンボもプールの壁の塗装の切れ目のところをうまく利用してすでに羽化したと思われる個体の抜け殻がいくつも見つかったこと
③ 羽化には成功したものの飛び立てずに水に落ちてしまったアカトンボの個体がいくつもあったこと
・・・こんなことが例年と大きく違っていました。

ギンヤンマは空中から水面に卵を落とすタイプでも、水面にお尻をつけて卵を産むタイプでもありません。水辺に生えた植物の幹に卵を産み付けるタイプです。従って、プールの表面にネットを張って、その上に植物(草刈りしたススキなど)を浮かべておいた2010年の夏は、1300匹近いヤンマのヤゴが確認できたのですが、今年はそんなことはできていません。どうにも説明できない、ナゾ…が出来てしまいました。

今年もコオイムシ、アメンボ、小型のゲンゴロウの仲間もいました。ヤゴのエサになるミジンコもアカムシなどの水棲昆虫がたくさんいました。ヤゴだけを救出の対象としましたが、あまり栄養となるものがなさそうなプールだけれど、飛んできた枯葉などの栄養で、こんなにたくさんの命が暮らしていたのです。単純だから種類はとても限られていますが、小さな生態系が形づくられていたのです。

途中で休みをとりながら、また給水に注意しながら採集を続けました。お父さん、お母さんたちが協力して、また子供たちもみな一生懸命数を数えて、集計表に書き込みました。みんなとても頑張ってくれました。ありがとう!

視聴覚室に戻り、今日のまとめをお話ししました。

今年は雪が多く厳しい冬でしたが、春先から天気が良く気温も高く、ヤンマもアカトンボも羽化したくてたまらない状況になっていました。ヤンマは体が大きく、プールの壁ではうまく体を支えて這い上がることが出来ず、半分羽化した状態で死んでいたものもいくつも見つかりました。これは例年と大きな違いです。

さて、例年注目の、集計結果です。

アカトンボ類:2889匹、シオカラトンボ類:9匹、ヤンマ類:28匹(羽化し損ねたものなどは30匹ほど。カウントに入れず)、イトトンボ類:0匹

今年は3年生が授業で採取した後ですし、死んでしまっていたものもたくさんいましたので、これまで続けてきた採取数の変化とは単純に見比べることはできませんが…。これだけのヤゴたちが元気に年を越していたのです。


ヤゴの飼い方の方法をお話ししてから、ヤゴを希望者に分けました。もう終齢(成虫になるすぐ前の状態)だから、もうあまりエサは食べず、すぐに羽化するかもしれないとお話ししました。ヤゴはトンボ池にも放しました。

わたしも家に持ち帰り、自宅の玄関先のミニビオトープに放しました。その後、仕事からの帰宅が楽しみになりました。去年と同じように、たくさん羽化してくれると嬉しいな・・・。

小学校のプール授業も間もなく始まります。それと時をほぼ同じくして、ヤゴたちはトンボになります。助けたトンボたちがつくし野の街を自由に気持ちよく飛んでくれる姿を思い描いています。参加して下さった皆さん、ありがとう!暑い日でしたが、お疲れ様でした。

今日の講師、ゲストは、顧問の平嶋さん、高見さん、月刊誌「スクール アメニティ」の記者:岡本さん、保護者OGの佐藤さん、中一のI君の5名でした。南つくし野小からも参加者がありました。

そして参加者数は、児童32名(1年生:10名、2年生:9名、3年生:6名、4年生:1名、5年生:3名、6年生2名)、未就学児4名、保護者26名、顧問、ゲスト5名の合計67名でした。

皆さんありがとうございました。以上です。

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おまけ:その1

取材に来てくれた月刊誌「スクールアメニティ」が各地の小学校などで行われている活動紹介ブログ「スクールニュース」に、この日の活動を紹介してくれました。


おまけ:その2

事務的連絡です。
本年度の活動に対する保険を更新しました。費用は、助成金から支出しました。また本年度、受ける助成が確定し、①子どもゆめ基金(国:前期)、②地域子ども教室(町田市:通年)の2つから、助成を頂いてこの活動を維持します。

おまけ:その3

活動を終えたその夜のこと。
我が家のマイクロビオトープに放したヤゴたちの夜の姿を見に行ったのです。たくさんのヤゴが羽化用に差し込んだ小枝の下に陣取り、今にも登りだしそうです。

ヤゴにとって、羽化が一番危険で大切な時間です。雨が降っては羽がぬれてしまい、羽がうまく広がらないのです。ちょうどうまい位置で羽化しようとしているヤゴの連続写真を写すことが出来ました。
ヤゴの羽化(連続写真)



弱っていたギンヤンマのヤゴも2匹、うまく羽化しました。左の写真は抜け殻(残念ながら、羽化した姿を写すことはできませんでした)、右の写真は、我が家の玄関先で羽化したギンヤンマのメスです。

活動の中でもお話ししましたが、トンボたちにとっては羽化は大変危険な行為でもあります。1匹でも多くのヤゴたちが無事に成虫となって、つくし野の空をたくさんのトンボが飛んでほしいと願っています。

我が家で羽化した赤トンボは、羽先が茶色でしたのでノシメトンボと判明しました。また、ギンヤンマは、全体が緑でしたので、メスの個体だったことがわかります。オスだったら胸がミズイロです。

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