2006年4月29日土曜日

活動報告 06年度 第1回

「なぜ、今、ビオトーププロジェクト活動なのか」という参加呼びかけの趣旨を、校長から参加者に説明した。

参加者より、この活動でどんなことをやりたいか、どんなことが得意か、全員に発表してもらう。
  • 化学実験
  • 昆虫飼育
  • ガーデニング
  • 水生昆虫
  • 小鳥
  • 魚、川
  • 木工作
  • 大工仕事
  • 何となく興味がある
など、たくさんの声が寄せられる。

校長から、活動例として
  • カブト虫の飼育
  • 池の整備とビオトープ化
  • 小鳥のすみか
  • 校内自然園の整備
  • 校外での観察活動
などが発表される。

とりあえず、カブト虫がさなぎになる前にかぶと虫の飼育施設を作ることにする。

顧問として、小池さん(本校元保護者) 中村さん(本校学校運営協議会委員で古くからつくし野にお住まいの方)にお願いする。

2006年4月1日土曜日

ビオトープとは何だろう?

ビオトープ(Bio Top)とは、Bios(生き物)とTopos(場所)という2つのギリシャ語を語源としたドイツ語の新しい言葉です。簡単に言うと「本来その地域に生息する野生の生き物たちが暮らす場所」という意味です。

環境の抑制だけではなく、生物の生息する生態的空間を大切にするとともに、もっと積極的にその生態空間を人為的に守り再生していこうというのがビオトープです。日本でも、川や森、公園や学校、公共施設や個人の庭にもビオトープの考え方が広がりつつあります。 

ビオトープというと「特別な空間」ととらえられがちですがそうではありません。『学校ビオトープ 考え方 作り方 使い方』(日本生態系協会 編著・講談社)には、次のように記されています。 
「ビオトープとは、本来その地域にすむ様々な野生の生き物生きることのできる、比較的均質な空間と定義されている。ビオトープの例には、森林・湖沼・乾い た草地・ヨシ原・川辺・砂れき地・干潟などがあり、ビオトープといっても何も特別な空間ではなく、昔からいた生き物の暮らせる、ある程度まとまった場所と とらえるとわかり易いだろう。こうしたビオトープに、その地域の生き物が加わって、自然生態系が成り立っている。」
日本では、1990年代からビオトープづくりが手がけられるようになりましたが、特に学校教育の中に取り入れられ、生態観察、自然との触れ合いの場としての役割を担うようになったことが特徴的と言われています。

特に小・中学校の「総合的な学習の時間」の体験学習でビオトープが活用されています。地域の人たちとビオトープを作ったり、学校内だけでなく地域の公園などに生き物の住む場所を広げていく活動に展開するところも増えています。

企業でも、工場敷地内にビオトープをつくり、地域住民に開放したり、教育環境の場とする動きも出てきています。市民の間にも自宅の庭やベランダなどを利用して、小さなビオトープを作る人も多くなりました。

日本では都市化の進展によって自然が減少していますが、ビオトープづくりは、失われた自然の回復、子どもの教育環境の場として、大きな役割を担っています。 

今回、つくし野小のビオトーププロジェクトのお手伝いをするに当たり、限られた費用や時間、面積・規模では、本格的な学校ビオトープを作ることは容易ではない・・・・と初めは考えました。

しかし、私たちが住むつくし野の街も、住宅地として開発される前は雑木林や里山に囲まれた農家の地区だったはずです。さらにもっともっと前は谷や丘が連 なる林や湿地だったはずです。人間たちの手によって多くの自然が破壊され、現在のつくし野の姿となり私たちが暮らしていることに思いを馳せつつ、残された 貴重な生物生息空間としてのビオトープを保全したり、消失したところを復元、創出することは意味のある活動と考えます。

ついては、ビオトープや環境に関心のある児童・保護者の皆さんとともに、つくし野小学校の一部分を環境学習に役立つように少しずつ変えていくことはできるのではないかと考えました。いわば本来の意味を持つ「地域のビオトープ」の見本園のような、ミニチュア版であれば、できるのではないかと・・・・。

また、この活動を通じて、児童や保護者の皆さんが身近な生き物や植物に親しみ、ひいては自分や家族、先生や学校を大切にしてくれるようになってくれれば・・・・と考えました。

やがて、つくし野全体が大きなビオトープになればいい・・・・と夢見ています。

つくし野小学校ビオトーププロジェクト顧問 小池常雄

校庭に町田の自然を

町田市は、北側を多摩丘陵が背骨のように貫き、その間を鶴見川が恩田川や真光寺川・小野路川などの多くの支流を合流させながら流れている。かっては畑中心の農村地帯で、自然環境の豊かな地域だった。

昭和40年代頃から、都心のベッドタウンとして住宅開発が進み、数多くの団地やマンション、住宅が建てられた。忠生等の中央部から始まり、現在も周辺部の鶴川や小山、鶴間・小川地区で続いている。少子化の現在でも、町田市は児童数が増加している現状である。

それにともない、豊かだった町田市の自然環境も至る所で寸断・分断され、昔日の面影を残している地域は、市の北部の他は点として残るのみとなってしまった。

しかし、町田市の自然は都心に比べてまだまだ豊かである。特に、川は下水道工事が進んで水質が向上し、コ イ、フナ、モロコ、クチボソ、ハヤ、オイカワ、ドジョウ、シマドジョウ、ホトケドジョウ、カマツカ、ヨシノボリ等の魚たちや、タイコウチ、ミズカマキリ、 ホタル等の水生昆虫が復活してきている。

また、植物もキンラン、ギンラン、タマノカンアオイ、キツネノカミソリ、シュンラン、ナンバンギセル等が残された自然の中で力強く生き抜いている。

町田の子どもたちに、町田市の自然はまだまだすばらしく、たくさんの生物がみんな一緒に同じ空気を吸って生きているということをわかってほしい。そのた めに、学校内に町田市の自然の一部をビオトープとして復元し、授業や休み時間にみて、触れて、感じられる。空間を作りたいという思いが、そもそもの出発点 だった。

本校では、先輩校長や教職員の努力でザリガニ池やつくし野田んぼ、腐葉土置き場など様々な先進的な取り組みがなされていた。別紙にもあるように、学校の 呼びかけにたくさんの地域・保護者の方々が応えてくれた。腐葉土置き場だった観察池を、学校近くの里山をイメージしたカブト虫園に、ザリガニ池を恩田川の 自然の復元を目指してトンボ池として作り直した。

また、今年度は生活科・理科の教材としての位置付けも加わり、ヤゴやザリガニ、カブト虫、メダカなどが活用されている。

本物の自然を校内に再現することは極めて困難であり、今残されている自然はかけがえのないものである。ビオトープ活動では、学校近くの林や川に行って自 然観察も行っている。これらの活動をきっかけに町田市の自然に興味を持って調べることによって、自然の仕組みの素晴らしさに気づいてほしい。

ビオトープ活動は、学校から地域へ。また、子どもたちが成長するにつれて、その視点は町田市を超えて東京都、日本、世界の自然への広がり、人類の存続にとって課題である地球の環境問題について考える基盤となることを確信している。
つくし野小学校 校長 田村健治