次の活動実施予告・実施済の報告


◎2024年度もつくし野ビオトーププロジェクトを実施します。
〇第1回定例活動は4月20日土専用畑で年間プログラムの発表や新キャベツと「?」の収穫体験などです。希望者にカブトムシの幼虫配布もします。
〇 第1回特別活動は、実施日・内容ともに未定です。

2006/03/31

ビオトープとは何だろう?

ビオトープ(Bio Top)とは、Bios(生き物)とTopos(場所)という2つのギリシャ語を語源としたドイツ語の新しい言葉です。簡単に言うと「本来その地域に生息する野生の生き物たちが暮らす場所」という意味です。

環境の抑制だけではなく、生物の生息する生態的空間を大切にするとともに、もっと積極的にその生態空間を人為的に守り再生していこうというのがビオトープです。日本でも、川や森、公園や学校、公共施設や個人の庭にもビオトープの考え方が広がりつつあります。 

ビオトープというと「特別な空間」ととらえられがちですがそうではありません。『学校ビオトープ 考え方 作り方 使い方』(日本生態系協会 編著・講談社)には、次のように記されています。 
「ビオトープとは、本来その地域にすむ様々な野生の生き物生きることのできる、比較的均質な空間と定義されている。ビオトープの例には、森林・湖沼・乾い た草地・ヨシ原・川辺・砂れき地・干潟などがあり、ビオトープといっても何も特別な空間ではなく、昔からいた生き物の暮らせる、ある程度まとまった場所と とらえるとわかり易いだろう。こうしたビオトープに、その地域の生き物が加わって、自然生態系が成り立っている。」
日本では、1990年代からビオトープづくりが手がけられるようになりましたが、特に学校教育の中に取り入れられ、生態観察、自然との触れ合いの場としての役割を担うようになったことが特徴的と言われています。

特に小・中学校の「総合的な学習の時間」の体験学習でビオトープが活用されています。地域の人たちとビオトープを作ったり、学校内だけでなく地域の公園などに生き物の住む場所を広げていく活動に展開するところも増えています。

企業でも、工場敷地内にビオトープをつくり、地域住民に開放したり、教育環境の場とする動きも出てきています。市民の間にも自宅の庭やベランダなどを利用して、小さなビオトープを作る人も多くなりました。

日本では都市化の進展によって自然が減少していますが、ビオトープづくりは、失われた自然の回復、子どもの教育環境の場として、大きな役割を担っています。 

今回、つくし野小のビオトーププロジェクトのお手伝いをするに当たり、限られた費用や時間、面積・規模では、本格的な学校ビオトープを作ることは容易ではない・・・・と初めは考えました。

しかし、私たちが住むつくし野の街も、住宅地として開発される前は雑木林や里山に囲まれた農家の地区だったはずです。さらにもっともっと前は谷や丘が連 なる林や湿地だったはずです。人間たちの手によって多くの自然が破壊され、現在のつくし野の姿となり私たちが暮らしていることに思いを馳せつつ、残された 貴重な生物生息空間としてのビオトープを保全したり、消失したところを復元、創出することは意味のある活動と考えます。

ついては、ビオトープや環境に関心のある児童・保護者の皆さんとともに、つくし野小学校の一部分を環境学習に役立つように少しずつ変えていくことはできるのではないかと考えました。いわば本来の意味を持つ「地域のビオトープ」の見本園のような、ミニチュア版であれば、できるのではないかと・・・・。

また、この活動を通じて、児童や保護者の皆さんが身近な生き物や植物に親しみ、ひいては自分や家族、先生や学校を大切にしてくれるようになってくれれば・・・・と考えました。

やがて、つくし野全体が大きなビオトープになればいい・・・・と夢見ています。

つくし野小学校ビオトーププロジェクト顧問 小池常雄

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