活動の概要と歴史

「つくし野ビオトーププロジェクト」
(旧名称:町田市立つくし野小学校ビオトーププロジェクト)

活動の概要・歴史・成果のまとめ


 活動タイトル

 「体験的環境学習活動
  ~都市近郊に暮らす子供たちへ地域からプレゼント~」


 キャッチフレーズ

 「いのちと環境を、親子で地域に学ぶ」


 活動が始まった経緯

  • 14年前(2005年5月)、町田市立つくし野小学校T校長(当時)(故田村健治先生:前市教育委員会学校支援センター統括コーディネーター)は、S市で起きた小学女児による殺人事件に心を痛めた。児童が生命の大切さに触れ、自然に親しむ機会の減った体験の不足を痛感。保護者と地域に、きっかけ作りとして校内でカブトムシの幼虫を育てる等の自然体験活動の実施を提唱。校庭に放置されていたコンクリートブロック製水槽を改造し、もらってきた廃材で上屋の設置をして「カブトムシ御殿」を製作。あわせて放置されていた池を清掃し、水棲植物や生き物を移植(トンボ池)。・・・そしてキノコ園や小鳥園、メダカ池など、自然観察などが身近でできるよう次第に拡大。

  • 当初から「命」を基本テーマとし、身近な生命の大切さや愛おしさを学び、ひいては自分自身や他者の命の大切さを学ぶ…という活動目標を提唱。地域と小学校・保護者が連携し、体験学習中心の新しい子育て活動を開始。「食べ物」「水」「環境」は当初から主要テーマ。

  • 「校庭に町田の自然を」(活動を始めた時の田村先生の文章)


 活動の概要

  • 活動は毎月定例化。畑で継続して作物を栽培、森での学習と遊び、プールのヤゴの救出、カブトムシ相撲大会など多様に実施。年間の学習テーマも設定。活動歴13年目。

  • 対象は、つくし野小学校在校生及び周辺に住む児童・生徒の任意自由参加が基本。開催ごとにチラシやポスター、ブログで告知。低学年の児童の参加が比較的多い。未就学児も参加。家族全員での参加も多い。卒業生、近隣地区の児童、私立小学校通学児童も参加。

  • 「命」をキーワードに年間を通じた活動・学習プログラムを提供する、小学生を中心とした子どもと親の体験的環境学習活動として定着し発展してきた活動。3代にわたる校長の理解を得て、3年目から地域住民主催で13年目の活動を継続・実施中。

  • 基本的に参加無料。材料実費、交通費などは個人負担。PTAと地域連携活動としての支援を平成24年度より平成25年度まで受ける。つくし野小は平成25年度まで連携。これ以降、つくし野小及び同校PTAとは別に、地域主催の社会学習活動として継続中。


 活動の目的

  • 基礎的な自然体験を得にくくなっている都市近郊に住む児童や未就学児に対し、地域が体験的環境学習として提供。身近に残された自然や環境。地域、生き物とふれあう、実体験プログラムとして提供し、様々な命の大切さ、環境の大切さ、身近な地域を体験的活動を通じて学ぶことが活動の目的。自他の命や身の回りの環境の大切さを楽しく学ぶ。

  • 環境学習は難しくない!オリジナルプログラムやクイズで、自然に楽しく学ぶくふうを実践。

  • 食べ物と自らの命の関係を重視し、地域から無償で畑の提供を受け、年間(畑での植え付け→世話→収穫→調理)および数年に及ぶ継続したプログラムを志向。世代間交流と地域内交流の実現も目的の1つ。水の大切さも小河川での川遊びを通じて学習。

  • 市内の別の小学校に設置されている特別支援学級「あおば」とも交流し、独自開発した環境学習プログラムを応用し、適用(実績2回)。横浜市立恩田小学校の招聘を受け、5年生全員への活動内容紹介、希望者へのトリの巣箱作りを実施(2018年)。教育系雑誌「スクール・アメニティ」が発行するWebニュース「スクール・ニュース」では、すでに5年、毎月の定例活動の取材を受け、ほぼ毎回活動内容を紹介されている。


 企画の特徴

  • 年度初め、月に1回、計12回の年間活動プログラムを発表し、通年で実施。
  • 定例活動に加え、不定期で開催する特別活動を年8回程度実施。定例活動と合わせて年間延20回程度開催。
  • 1年間の活動で、都市近郊に住む児童が基本的な自然体験が経験できるよう工夫。
  • ローマ時代の4大元素「土・火・空気・水」の中心に「命」を加え活動テーマ設定。
  • 地域の高齢地主から畑の使用提供を受け、自ら苗を植え、育て、収穫し料理する体験。
  • 活動冒頭に活動テーマをオリジナルの10問3択クイズで出題。理解を深める工夫。
  • 活動ごとに、オリジナルテキストを作成。帰宅後、家庭内での会話も期待している。
  • 活動の経験を特別支援学級や一般学級に援用。企業CSR活動から注目。教育系雑誌で紹介。


 主な活動場所

  • つくし野小学校校庭・校内、および小学校より徒歩圏が基本
  • 学区内の寺・地域住民などよりご提供いただいている「ビオトープ専用「畑」
  • 近くの森村学園所有の雑木林、私鉄で2駅ほどの奈良川  など


 活動プログラムの配慮事項、参加人数、広報

  • 年間活動プログラムを年度初めに発表。活動の全体を通じ食育系・工作系・栽培系・観察系・採集系・実験系と幅広い内容を網羅し、1年間で子供が子供の年代に経験しておくべき、基本的な自然にかかわる原体験を一通りできるようバランスと構成に配慮。

  • 本年度で13年目になる活動の継続的な実施により、保護者などに活動内容への認識は定着。しだいに参加者が増え、現在は毎回20~160名ほどの参加者(半分強が児童。残りは保護者やスタッフ)。年間の延べ参加者総数は約300~1,100名。2012度実績で約700名。2013年度実績で800名、2014年度実績で300名、2015年度と2016年度700名、2017年度870名。

  • 以前は、校内掲示板に毎回の活動状況の写真を掲示し、2011年5月からは校門横にも掲示をしていたが、2014年春以降はともに停止。2015年度からはビオトープ畑に手作りの広報パネルを設置し、地域や保護者へも活動状況を継続的に発信している。


 具体的な活動内容プログラムの例
(回数は本年度のもの)

  • 4月:[年間活動内容発表](昨年の活動成果をビジュアルで紹介・校内整備した施設見学)
  • 5月:[畑にイモなどを植える食育]ビオトープ畑でサツマイモなどの作物を自ら植え、育て、世話をし、自ら料理して食べる)
  • 6月:[プールのヤゴ救出大作戦](例年7~9000匹のヤゴを救出)
  • 7月:[森で学ぼう・森であそぼう](徒歩圏の里山で、森について学習し、工作し、遊ぶ)
  • 7月末:[第10回カブトムシ相撲大会つくし野場所](マイカブトを持ち寄り、勝ち抜き戦)
  • 7月末:[第8回カブトムシ相撲大会町田場所 カブトバトル2015]
  • 9月:[畑のカボチャの収穫祭]
  • 10月:[大学の先生に最先端の生命科学のお話を聞こう](事例①東京大学教授・東洋大教授ご夫妻による自宅での太陽光発電と魚類についての特別授業、②東洋大教授によるメダカの体色変化の実験、③宮城教育大教授によるプログラム設定型自走ロボットの制作、④元麻布台準教授による放射能についての勉強会(保護者向け)。)「博物館へ行こう!博物館で学ぼう!」
  • 11月:[秋のおイモの収穫祭](サツマイモなどの収穫と自宅への持ち帰り)
  • 12月:[焚き火のすすめ・焚き火で料理して食べよう] (自らが育てた作物を、自ら料理)
  • 1月:[小鳥の巣箱作り](身近な野鳥の特徴について学んだあと、全員がシジュウカラの巣箱を製作)
  • 2月:[里山に行ってみよう](徒歩圏に広がる里山を探索し、そこに広がる自然と暮らしを観察)
  • 3月:[年度末特別活動](一昨年度のプログラムは、生き物とエネルギーの関係を学んだあと、蜜蝋とテンプラ廃油を使ったろうそくの手作りを実施。各自独自に飾り付け。全員が持ち帰り。昨年度のプログラムは、野菜の仲間探し。種類による特徴と野菜のどこの部分を食べているかを学ぶ。)

  • 対外特別交流活動:2012年2月24日土:町田市立小山中央小学校 特別支援学級「あおば」で特別出張授業を実施3コマ)身近な野鳥について学び、ピーナッツリースや巣箱を手作り。8人全員分を完成。その後、校内の雑木林に巣箱を付け、多くの巣箱で営巣を確認。
  • 対外特別交流活動①:2013年3月16日土:町田市立小山中央小学校 特別支援学級「あおば」にて2回目の特別出張授業を実施(午前中2コマ)。再生可能エネルギーや化石エネルギーの限界を学んだあと、ソーラーパネルを使った工作「ソーラーかもめ」を実施。
  • 対外特別交流活動②:2013年3月19日水:町田市立つくし野小学校5年生全員(66名)に「職業教育(生き方教育)」の講師として正規授業2時間を担当。職業建築家としての経験や実績、環境学習についての活動をお話しした。好評であった。授業の様子は、ブログで公開中。

 →参考:「ビオトープ紹介②:2015年度の活動記録」


 実施期間

 2005年5月~現在


 活動事例








 今後の目標と展望

  • これまでの10年間、幸い事故なく延べ10,000名ほどの参加者を得たが、参加者が最大160名を数えることもある。限られた有志だけでは目が届きにくい状況も発生し、安全管理に留意したきめ細かい対応が必須。(放射線測定機と救急箱は毎回の活動で持参)

  • 費用がかかる施設整備系活動は、現在の財政基盤では困難。従って、費用をあまり要さない、体験系活動に比重を置き、環境教育・学習活動の側面をより重視。

  • 将来は、NPO化やより幅広い情報発信に努めたいが、代表をはじめ、主たる関係者は現役社会人であり、限界がある。


以上