文:小池さん
写真:岡本さん、井上さん、平嶋さん、小池さん
小池です。11月21日(土)に本年度8回目(特別活動3回を合わせると11回目)の定例活動を実施しましたので活動報告をします。小学校の行事の日程で、恒例の第2土曜日ではなく、第3土曜日の開催となりました。
この日は、前後数日の小雨模様・低温の傾向ではなく、朝から晴れ間が広がり、気温・湿度ともにとても快適な活動日和(ひより)となりました。朝は青空、午後からはうろこ雲が空に広がりました。
午前中から準備を始めました。
参加者の活動場所を作り、収穫しやすいように、カボチャのツル、農業資材、イモのツルの整理などをしました。休む場所は、秋も深まりちょうどお隣の家の陰ができ、空も見える快適な空間でしたので、ブルーシートを敷いたのみにしました。
顧問の平嶋さん、樋村さんご夫妻、高見さんとの作業でした。井上さん、船崎さん、中村さんはご都合でお昼頃からの合流でした。樋村さんご夫妻は午後からのご予定とかさなり、午前中と夕方の片づけだけの参加でしたので、活動時だけの参加だった多くの参加者の目には触れないご支援でした。私と合わせて計8名での準備作業でした。
サツマイモのウネの中には、ネズミがあけたと思われる大きな穴が開いていました。ネズミにかじられた跡があるおイモもたくさんありました。
準備を終えると畑の隅っこで簡単な食事をしました。午後からの活動が始まってしまうと、いろいろなことをしなくてはならずあわただしくなってしまうので、私にとってはしっかりと準備が整い、活動開始までのこの僅かな時間が毎回、一番幸せな時間です。
参加者はつくし野小東門午後1時集合でしたので、わたしと平嶋さんの二人で集合場所に活動旗を掲げ、皆さんを待ちました。
今回はいつもと違い、出だしが良く、集合時間より10分ほど前から参加者が集まり始め、最終的に18家族が集まって活動を開始しました。いつものように平嶋さんの持つ活動旗を先頭に、活動場所に移動しました。
初めに私から、今日の活動のおおまかな手順と注意事項を説明しました。
この日の活動プログラムは、5月に皆で苗を植えたサツマイモを主に、2つの畑でいくつかの作物を収穫することと、来春に向けてソラマメやコカブなどの種を蒔くことなどが主な目的でした。
まず、私が講師になって、わたしたちに身近なおイモ3種類の特徴を話しました。
私たちが良く食べるのは、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、ヤマイモの4種類です。これら以外にも、キクイモや自然薯、ヤーコンなど、世界中ではもっとたくさんの種類のおイモが栽培され、食べられています。
皆さんにある植物の鉢をお見せして、名前を聞きました。サトイモそっくりの葉ですが、茶色い茎が大きく伸びています。
これは、クワズイモ。名前の通り、イモですが食用にはなりません。南の国には道端にも生えていますが、日本では観葉植物として人気です。似た植物として、エビイモやセレべスという作物がありますが、これは食べられます。この植物を見るとサトイモは、茎が地面の中で太ったものであることが良くわかります。
ジャガイモは、私たちの旧畑でも今年育てましたね…。ジャガイモも地面の中で茎に相当する部分が肥ったものです。
ジャガイモは花が咲きますが、めったに実がなるところまではいきません。しかし、新畑の隣の畑では、今年たくさんの実がなり、半分に切ってみると緑のミニトマトそっくりなことが観察できました。(すでにブログで紹介済)トマトとジャガイモは親戚同士。花や実を見るとそういうことがわかります。
一方で、サツマイモはアサガオと親戚。図鑑で、サツマイモの上にアサガオを接木(つぎき)して、不思議な形に育てたものを見つけましたので、皆さんに紹介しました。
そもそも接木は、ウリの仲間でよく行われる方法です。
今年も新畑で、強いユウガオの台木(だいぎ:根の部分)にスイカの穂木(ほぎ:ツルが延び、実が付く部分)を接木した苗を植えたところ、スイカの穂木がうまく育たず、ユウガオがとてもたくさん成長し、たくさんの実が採れました。これまでも参加者に随分お分けしましたが、今回も活動の最後に、希望者の皆さんに配布しました。
ユウガオからはカンピョウを作るのですが、実はすかすかして淡白ですので色々な味付けになじみ、トウガンのように、味が染み込んでおいしく食べることが出来ます。
お話しはほどほどにして、サツマイモの収穫に取り掛かりました。
顧問の皆さんが事前にツルを取り外して下さっていたので、ウネごとにサツマイモが頭を出して掘りやすくなっていました。
初めは子供たちが一列に並んで掘りはじめました。予想外の方向にツルが延びていて、思わぬところにイモが出来ていたりして、大騒ぎの収穫となりました。とてもとても楽しい時間です。子どもたちの小さなシャベルではうまく掘れない大きなものは、私が大きなスコップで手伝ったりしました。
子供たちの楽しげな芋ほりをうしろから見ていたお母さんたちから「私たちも堀りた~~~い!」という声が上がりました。それで、子供たちが水分補給している時間を利用して、今度はお母さんたちの収穫タイムとしました。お母さんたちに子供に返ったような笑顔がはじけました。
今年の春、畑にはベニアズマを180本、ムラサキイモを20本ほど植えましたので、それらは別々に収穫しました。ムラサキイモは蒸かしただけできれいな蛍光色のムラサキ色になり、餡(あん)のようになります。
200本のサツマイモの収穫はなかなかの重労働。皆で協力しての作業となりました。
これは作業の途中で中村さんが見せてくれたサツマイモ収穫の模範演技。無駄な力が入らず見事な手さばきです。見学した皆からは拍手が起こりました。
サツマイモの収穫が終わると、この場所をトラクターで耕す作業を中村さんにお願いし、私は参加者と一緒に旧畑に作物の収穫に行きました。ミニトマトやカキを収穫できました。おそらく、ヒヨドリのものであろう鳥の巣もあり、これは後で1月の活動の教材用に回収しました。
旧畑から新畑にもどると、すでに中村さんがトラクターで、ぐんぐんと畑を耕して下さっていました。機械の威力はすごいのです。
新畑の通路側に植えてあった、コマツナの仲間とチンゲンサイを収穫しました。根ごと引っこ抜くと地球からたくさんの養分を吸い上げていることが観察できて良いのですが、横にまだ生えている少し待てば大きく育つものの根を痛めてしまいます。そこで今回は、私が根元にナイフを入れ、一人一人に手渡す方法としました。
農薬はまいていなくて草取りをしただけですので、バッタに葉っぱが食べられて穴だらけになっている部分もありますが、その分、農薬的には安全という事でもあります。
中村さんがトラクターで耕してくれた場所にウネを立てて下さったので、子供たちと種まきをしました。ラディッシュやソラマメ、エンドウなどです。
ソラマメの種は、今年の6月に収穫したもの。春先の渇水でサヤが黒くなってしまい、生で食べられない物を選別し、乾燥させておいたのです。今回、植える3日前から水につけて、ふくらせると、乾燥していた時の3倍くらいに大きくなり、色もつやつやして命を吹き返したような印象でした。
ソラマメの種は、たくさんありましたので、希望者に分けました。大きさは不揃いですが、手を掛けて調理すれば、お多福豆として、いろいろな料理に利用できることをお話ししました。
新畑の奥の方では、カボチャとユウガオも採れました。ユウガオは重かったので、ブルーシートの重しにピッタリでした。転がりやすいという欠点はありましたが…。
楽しい時間でしたが、秋の日はつるべ落としと言います。片づけもあったので早々に解散にしました。
サツマイモの収穫量は驚くほどたくさんあり、参加者数も多かったものの十分な量のお土産が出来ました。顧問も含めてなるべく平等に分けたいと考え、新聞紙に広げて分けましたが、直接分けるのはほどほどの量にして、残りは希望者が希望の量を持ち帰る方法にしました。
今回の活動の参加者数は、 未就学児:11名、1年生:2名、2年生:5名、3年生:4名、4年生:1名、5年生:0名、6年生:0名、中学生0名、高校生0名、保護者:22名で、参加者は18家族でした。運営側として、顧問他8名(樋村夫妻、平嶋、高見、井上、船崎、中村、小池)、取材者:1名(岡本)でした。子どもの合計:33名、大人の合計:31名の総合計62名でした。
参加校は、つくし野小以外の児童は、森村学園、南第2小。幼稚園等の未就学児は、天使、第一富士、小川の各幼稚園、ハッピードリー鶴間保育園でした。ベビーカートに乗っていた乳児も2名程いましたが参加人数にはカウントしていません。
成瀬から参加して下さったSさん母子は、川の活動の時に、現地で偶然知り合ったのですが、その後3回連続しての参加でした。インターネットで、活動日を調べて下さり、自転車で来てくださいました。
この活動は、つくし野の街(を中心とした地区)に育つ子どもたちが、子供たちの時間にこそ経験すべき様々な体験活動を、小学校や幼稚園の公的活動では実施しにくい内容を優先し、特に環境学習の視点を重視しつつ企画し、実施しています。
主催者は公的助成先から一切の個人報酬を受けていません。勤務先からも一切の補助・評価も受けていません。
活動保険を掛けた上、常識的な範囲で、安全安心な活動の実現に努めています。この考えは活動創設の10年前から一切ぶれておらず、今後も変わりません。
参加して下さった皆さん、ありがとうございました。準備や活動を支えて下さった皆さんへの感謝の気持ちを忘れずに!活動終了後、様々な料理の写真などを頂きましたが、これらのご紹介は、別の機会にします。お楽しみに・・・。
《一つだけおまけ》
活動の終盤になって、数人の女の子たちから「大縄(おおなわ)をやりた~~い!」という声が上がりました。
活動の冒頭、私からの説明の中で、ユウガオの茎は根元で直径8センチほどの太さになっていること、サツマイモもおイモから5〜6mの長さでツルが延びていることを紹介し、顧問の皆さんがわかり易く、見やすいように整えておいてくれたのですが、これを縄跳びの縄に見立てて、大縄をしたい…というのです。
ツルは生ですので意外に重かったので子供たちが回すにはいささか大変でしたが、次第にコツのようなものをつかみ、ついさっきまでカボチャが植えてあった場所で大縄をすることになりました。
これは、事前には予想もしなかったことで、子供たちは身近なもので色々な遊びを思いつくものではありますが、ちょっと嬉しい驚きとなりました。
ユウガオの切り株を、皆が帰った後観察すると、驚くほどの量を吸い上げている様がわかりました。雨が降ったわけでもないのに、根っこの周りだけ泥だらけなのです。植物の生命力のようなものを改めて感じました。
おしまい
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