次の活動実施予告・実施済の報告


〇 第12回特別活動は、「茎ブロッコリー・ハクサイ菜の花を収穫しよう!」を3月24日日午後の実施しました。次の特別活動の実施日・内容は未定です。
〇第12回定例活動は「畑のお世話~種ジャガイモの植付など」は3月9日土を翌10日日午後に延期して実施済です。

2015/03/14

活動報告 2014年度 第12回「植物ってすごい!Ver.5~ドングリクイズと森の工作」


文:小池さん
写真:平嶋さん、井上さん、小池さん


「2014つくし野ビオトーププロジェクトⅨ」本年度12回目「植物ってすごい!Ver.5~ドングリクイズと森の工作」の活動を2015年3月14日土曜日に実施しましたので、活動報告をします。

今回は、本編の活動報告に続き、おまけ1,2…という順です。


《活動報告》

活動場所は、つくし野小学校視聴覚室でした。平嶋さんや井上さんと午前中から準備をし、皆さんを待っていました。今回の活動の後半は、細かい材料をたくさん使うので、その準備が大変でした。

メールでの参加申し込みはなく、今日も何人の参加者があるかわかりません。いつもながらドキドキと心配していましたが、20名程の参加者があり、ほっとしました。




私から、今日の活動内容とテーマについてお話ししました。講師の高見元久さんのお話し、ドングリ・クイズ、森の工作の3部構成の順で進めることをお話ししました。サポートのメンバー全員を紹介しました。




はじめに高見さんから、お仕事で駐在したことのあるアフリカの森と人、植物と人の関わりの話をしていただきました。


お話しのタイトルは「日本と海外(とくにアフリカ)の植物、その利用とビオトープ」というもので、低学年や未就学のこどもたちには、はじめはちょっとむつかしいのかな?と思えたかもしれません。でも、高見さんのお話しは、やさしくていねいに落ち着いた口調のもので、子供たちにも十分わかりやすい内容でした。


高見さんがアフリカに居た当時のお仕事は、日本の国が、アフリカの国の人たちのために道路を直すお手伝い(ODA)で、現地に工事の技術者として出かけていたのです。もちろん、お仕事は忙しかったけれど、日々の暮らしも日本での暮らしと違うことが多く、また、お休みを利用して出かけた先で写した写真などをもとにお話をしていただきました。

  • 世界中に植物は生えているけれど、森林と呼ばれるところは限られていること
  • アフリカは日本から見ると緑が多い場所が多いように想像できるけれど、熱帯雨林というジャングルのような森林は赤道付近に限られていること
  • 日本では沖縄に育つ海辺の植物と同じ植物『マングローブ』があること
  • 雨が少ない場所では木々がまばらになっていて、ここにはアフリカでないとなかなか見ることができない『バオバブ』という樹があること
  • 日本にはゾウはいませんが、イノシシやシカ、サルの仲間など日本とアフリカでよく似た生き物がたくさんいたこと

…など、ガーナやタンザニアなどで体験したことを中心に話していただきました。熱帯の樹木は背が高くなり、森の中に入ってしまうと何も見えないけれど、高さが50mにもなる木の上のほうに人が渡れる吊り橋を架け、森を上から眺めることができる場所もありました。


道路がジャングルの中を貫いてまっすぐに伸び、信じられないほど大きな木が伐採され、信じられないほど大きなトレーラーに載せられて運ばれていく写真はとても印象深いものでした。製材されて家具の材料などに使われるということで、日本では絶対に許されないような大きな木が切られてもったいないけれど、現地の人たちの暮らしに役立っているはずです。

ここで切り出された巨木は、ひょっとしたら日本に運ばれて、あなたの家の机やいすになっているのかもしれないのです。

遠い遠いアフリカのどこかの国の、自分とはまったく関係のない出来事のように思われるこの写真も、私たちが暮らす地球という星の上で、今も起こっていることなのだろうということが、身近な高見さんが映っている写真故に、より真実味をもって感じられた、たくさんの写真でした。

最後に、高見さんがお土産で持ち帰った民芸品を見せていただきました。木彫りのカメ、カエル、カバ、お面など、手造りならではの暖かさがあって、とてもいい雰囲気のものでした。





豊富な写真がいっぱいの高見さんのお話しの次は、わたし小池が準備した「ドングリ・クイズ」をしました。10問の3択方式で、先月の里山を歩く活動の中で、あちこちで見かけたドングリについてのクイズです。

「ドングリ」という名前の種類の木はなく、カシの木の仲間の木の実の総称(まとめたよびかた)であること。多くの森の生き物たちの食べ物になり、これらの生物がドングリをあちこちに移動させることで、植物は歩けないけれど、自分たちが生える場所を広げている…という話もしました。


いつもながらのサービスクイズも入れておいたので、1つも正解が無い…という人はいなかったはずです。

ドングリは、稲を栽培する弥生時代の前、縄文時代には日本人も良く食べていたけれど、アクを抜いて、食べられるまでにするのが大変だったろうということ。今でも韓国ではアクを抜いたドングリの粉を売っていて、食べるらしい…ということもお話ししました。

多くの日本のドングリはそのままでは食べられないけれど、スダジイやシイはそのままでもおいしく食べられ、私も子どものころは、神社の境内に落ちているシイの実をよくそのまま食べたというお話しもしました。

つくし野のエリアの中の公園でもシイの実が拾えるところもあります。今の子供たちには、公園で落ちている木の実をそのまま食べる…なんて言う経験はしていないのではないかと思います。





お話しの後は、森の小物を使った工作をしました。

ドングリ、小枝、白樺や桜の枝、スズカケの実、カラマツの実、松ぼっくり…など、身近に手に入るものを様々に用意しておきました。


はじめに、全員で作ったのはバードコールです。アイボルトという金具と木の小枝を使って、バードコール(小鳥の鳴き声のような音をだせる小道具)を作ったのです。


アイボルトは買ったままだと、銀色にメッキされていて、ちょっと興ざめです。そこで予め、真っ赤なアクリルラッカーの塗料で塗っておきました。これに、白樺や桜といった表皮がきれいで雰囲気のある3センチほどの小枝を短く切ったものに、下穴を開けた後、ねじ込むのです。

ドリルを使うところや初めにねじ込むところは、大人にやってもらいましたが、うまくなじませるために回転させるところからは子供たちの仕事。いろいろ試しているうちに、ボルトを浅く入れた時と深く入れた時と音色や音の高さが違うことに気づきました。首からぶら下げられるひもも付けました。


この他に作ったのは、小枝の鉛筆。私の家の庭木を昨年秋に剪定した時の小枝を、午前中から平嶋さんや井上さんが適当な長さに切っておいてくれたのです。これを小さな手回しの鉛筆削りで削り、先っちょに赤や青や黒い色を付けると手触りの良い自然の小枝を使った、鉛筆のオブジェになりました。


勿論これで、文字や絵を書くことはできないけれど、お尻にヒートンという名前の金具を付けて、携帯ストラップ用の金具につければあっという間に立派な、かわいいオブジェが出来ました。勿論、携帯につけても良いけれど、ランドセルや筆箱のアクセサリーにしてもいいのでは?

皮の小物に葉っぱやチョウのスタンプを押し、ひもを付けたものも作りましたが、これはジャンパーのプルタグ(ジッパーを引っ張るところ)にもなります。試験管を首からぶら下げて楽しめる一輪さしのペンダントも作りました。


直方体(サイコロのかたち)の木を27個組み合わせたパズルは、希望者だけ作りました。これはパズルといっても立体パズル。瞬間接着剤で4-6個を立体的にくっつけて、それらを組み立てるのですが、これは見た目は簡単そうですが、やってみるとなかなか大変。瞬間接着剤はあまりたくさん付けないのが、コツだったようです。持ち帰った4人は、自宅ではうまく組み立てられましたか??


工作で、楽しい時間を過ごした後、参加者の皆から、楽しかった工作は何かを聞きました。いくつもいくつも作って、たくさん首にぶら下げている子もいました。試験管は、ガラス製の本物だから、気を付けて欲しいと保護者の皆さんにはお願いしました。


気がつくと、他にもたくさんの「自由作品」が出来上がっていました。






予定していたプログラム全てを終えてから、皆で恒例の集合写真を写しました。その時、1年生の時から参加してくれていたF君にささやかなプレゼントをしました。事前の連絡が無かったので、あわてて準備したありあわせのもので、ごめんなさい。





今回の活動で、本年度予定していた12回の正規活動、3〜4回の臨時活動は全て終了したことになります。

気温が35度以上ある日に、カボチャの収穫をした日がありました。小学校からの支援やPTAとの関係が大きく変わった年でしたので、苦しさもあったのです。

9年間の活動の中で、こどもの参加者が一人という最少記録だった日もありました。(後で小学校の行事と重なっていたと知りました。)しかし、参加人数は少なくても次第に参加者は安定しました。

丸9年間の活動で、本年度で延べ活動回数は優に100回を超えました。のべ参加人数も6〜7000人になったことになります。

本年度は、2つの公的助成を受けて活動できました。残念ながら、団体として応募した賞の受賞はなりませんでしたが、代表者個人名で応募したものは、2つの賞に入賞を果たすことが出来ました。

「毎日農業記録賞」      「きずなづくり大賞」
    優良賞        「東京社会福祉協議会長賞」



今回の講師・支援者・ゲストは、高見さん、井上さん、平嶋さん、船崎さんと小池でした。月刊誌「スクール・アメニティ」の岡本さんが、今回も取材に来てくれました。

そして今回の参加者数は、小学生8名(1年生:3名、2年生:3名、3年生:1名、4年生:0名、5年生:0名、6年生:1名)、未就学児2名で児童の合計10名、中学生0名、保護者9名、講師、支援者、雑誌取材者は5名で、全体の合計は24名でした。参加児童の家族数は8家族でした。

参加して下さった皆さん、ご支援して下さった皆さんありがとうございました。




《おまけその1:スクールニュース》

今回も月刊誌「スクール・アメニティ」の記者岡本さんが参加して下さいました。当日の活動内容が、同誌が発信するブログニュース「スクール・ニュース」に掲載されました。
 ↓
『スクールニュース vol.108 編集部から(2つ目)
 体験型環境教育の現場/つくし野ビオトーププロジェクト3月』



《おまけその2:「国立大学法人 宮城教育大学」紀要に紹介!》

2012年の3月の活動で、特別講師として来てくださった水谷好成教授が、当日の活動内容をベースに「宮城教育大学紀要2011」に論文として発表して下さっていたことを、今頃になって知りました。

「紀要」というのは、大学や研究所などで研究したり調査した内容を論文集としてまとめ、社会に発表する書物です。インターネットで全文を読むことが出来ますが、最初のページとつくし野小での活動紹介の写真のページを転載しておきます。

 
                  クリックすると論文(pdf)にとびます




γ  γ  γ  γ  γ


これで、本年の活動は終了です。

町田市地域子ども教室助成や国の子どもゆめ基金への報告手続きが残っていますが、それも来年度に向けた準備とともに少しずつ進めていきます。

この活動の趣旨と歴史にご理解いただける皆様の、更なるご支援をお願いいたします。ありがとうございました。


以上です。

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