文:小池さん
写真:平嶋さん、小池さん
写真:平嶋さん、小池さん
小池です。7月11日(土)に本年度4回目の定例活動を実施しましたので活動報告をします。
この日、今年とくに長くたくさん降り続いた梅雨の雨が、台風の影響でぱったりと止み、前日と同様に梅雨明けを思わせる青空が姿を現し、それとともに気温がぐんぐん上がりました。
活動のあと見た夜のニュースの報道では、この日全国集計で600人以上が熱中症で病院に運ばれた…とのこと。いつもに増して給水と休息など、安全管理に気を付けて活動をしました。
朝10時半から資材の搬入やブランコなどの設営を樋村さん、平嶋さん、船崎さんと4人で始めました。
活動は午後1時からで、つくし野駅前に集合して始めました。
平嶋さんと二人で駅前で待っていると、色とりどりの虫かごや捕虫網をもった親子が楽しそうに、あちこちの方向から三々五々やってきてくれて、うれしく思いました。
はじめに私から、今日の活動の目的と流れを説明しました。高温なので、水をよく飲むことなどを繰り返し注意しました。
それから、車に気を付けながら、つくし野から歩いて行ける里山の中の活動場所に移動しました。
活動場所についた後、用意しておいたブルーシートに座ってもらい、給水してから、恒例の10問3択クイズをしました。いつもながらややサービス問題が多かったかな??
「森には、豊かで複雑な環境があり、それが豊かな生態系を育み、様々な働きで私たちの暮らしを陰ながら支えてくれている」というお話をしました。
例年、たとえに出すイースター島の悲しい歴史は、他人事ではないのです。限られた小さい島で森を切ってしまって起こったこと(資源をめぐる戦争や森の草地化、文明の崩壊)は、規模は違うけれど地球全体で、今も起こっていることです。
私たち人間は宇宙船地球号からは逃げ出すことはできないのですから、この日のように森に親しみ、森の大切さを感じてもらえたら…と思います。
この日用意した活動アイテムは、恒例の「一本ブランコ」「ハンモック(2)」「どこでもブランコ」「藍の生葉たたきぞめで作るエコバッグ」「スタンプやスプレーで作る暑中見舞いのはがき」…などでした。
「立体顕微鏡でみるホウセキゾウムシ」もなかなかの人気でした。
樋村さんが今年の新アイテムとして「ロープで作る綱渡り」を作って下さいました。やぶの中に入っていくときは、子どもだけで行かないで、保護者と一緒に気を付けていくように…と注意しました。あとは、自由行動にしました。
「藍の生葉叩き染め」は例年通り平嶋さんが担当して下さり、トントンというトンカチの音が雑木林に響きました。希望者が多かったので、藍の葉を一人2枚に制限したとのこと。
「一本ブランコ」は、船崎さんが主となり、樋村さん、平嶋さんも準備と対応を手伝って下さり、安全確保などもしっかりして下さいました。例年通り、子供たちの歓声が、林の中に響きました。
また、午前中はほぼ無風で蒸し暑かった雑木林の中ですが、午後からは風が出て、樹間をとても心地よい風が吹き抜けました。
「とても贅沢な時間と空間と体験」…と後で言って下さった方がいて、うれしく思いました。
切り倒されていたクヌギの木の下の腐葉土のあたりに、いろいろな昆虫がいました。午前中の準備の時に、オスのカブトムシを5匹、2週後に迫ったカブトムシ相撲大会のレンタル用に確保しておきました。
これ以外にもとても立派なアゴをもったノコギリクワガタを捕まえた子もいましたね…。コクワガタもいました。つくし野の街からこんなに近い場所で、こんなに豊かな命が息づいているのです。
この日は、とても高温になったので活動時間があまり長くなると危険でした。そこで、暑い中参加してくれたご褒美と体温管理のため、私がアイスキャンディを調達に走り、これを食べて一休みにしました。林の中で食べるアイスキャンディーはとてもおいしく感じませんでしたか?
集合写真を写した後、翌日の野菜の収穫の特別活動と2週あとの定例活動「カブトムシ相撲大会」の説明をし、いったん解散としました。
保護者と一緒に参加した児童は、以後はそれぞれの家族での判断で、自由活動としました。
今回の活動の参加者数は、 未就学児:4名、1年生:12名、2年生:6名、3年生:3名、4年生:2名、5年生:0名、6年生:0名、中学生:0名、高校生:0名、保護者:23名、顧問他4名(樋村、平嶋、船崎、小池)、取材者:1名(岡本さん)で、子どもの総数27名、大人の総数28名、総合計55名でした。
つくし野小以外の参加者は、長津田小1名、洗足学園1名、森村学園1名、アンブリッド校(ローマ市日本人学校?)・・・と、4校から参加者がありました。
とくに、ローマのアンブリッド校は、日本人学校かな? 海外勤務中保護者の夏休み期間のつくし野小への短期編入の児童だったように思います。2組の児童が、つくしの小学校に短期編入していると聞きました。
海外に暮らす子供たちにとっては、限られた時間でしたが、日本の里山の自然に触れられたなら良かったです。ローマにはカブトムシは居るのかな? あまり雑木林のイメージは無いですが…。ヨーロッパも日本も生物区としては同じユーラシア生物区に属し、そっくりな生き物がいることが多いのですが・・・。
こんな高温になった日ですが、55名の参加者があり、いつもながら、この種の活動の潜在的ニーズを改めて感じました。
この活動は、つくし野の街に育つ子どもたちが、子供たちの時間にこそ経験すべき様々な体験活動を、小学校の公的活動では実施しにくい内容を優先し、特に環境学習の視点を重視しつつ企画し、実施しています。この考えは活動創設の10年前から一切ぶれておらず、今後も変わりません。参加して下さった皆さん、ありがとうございました。
準備や活動を支えて下さった皆さんへの感謝の気持ちを忘れずに!!
《おまけその1:スクールニュース》
いつもの教育施設系月刊「スクール・アメニティ」誌の記者、岡本さんがこの日も取材に来てくださいました。「スクール・ニュース」の記事は下記です。
↓
『スクールニュース vol.130 編集部から 体験型環境教育の現場
つくし野ビオトーププロジェクトシーズンX 7月』
《おまけその2:「鉄鋼マン」さんからの感想》
「鉄鋼マン」さんから活動などへの感想を頂きました。 「鉄鋼マン」さんは、いつもご家族全員5人で参加してくださいます。(小池)
1.今回の活動への感想
ストロークの長いブランコ(注:一本ブランコのこと)が印象的でした。
自分も乗ってみたいなーと思ったりして・・・。
(注:例年は、こども優先ですが大人も載っています。今年は、保護者の皆さんが遠慮された??)
これ以外にも、子供たちは日ごろできない様々な体験をするすることができ、堪能したようです。
暑い中、様々な準備をしていただいた様子が伺え、こういう機会を設けていただいたことに心から感謝しております。 うちの子たちは虫取りがメインになってしまいましたが、小一の長男は「藍(あい)の生葉(なまは)叩き染め」もさせていただきました。下の子たちもこれから大きくなるにつれ、より色々な事ができるのではないかと楽しみにしております。
2.森の印象について
最初の集合場所の印象は、『明るい森だなー』ということでした。クヌギの樹液の匂いがするのも印象的でした。
私も、子供のころ、夏休みになるとカブトムシ・クワガタを採りに…秋になると栗拾いに…と(その頃住んでいた郡山の自宅の)裏山を歩き回っておりました。
約40年前、私自身が小学生だった頃の裏山は、ちょうど、会場の森のような感じでした。あんなに多くのクヌギが生えていたわけではありませんでしたが、クヌギの木を見つけては蹴っ飛ばし、落ちてくる虫達を、草むらの中から拾い集めていました。
目の高さにはあまり居なかったように思います。 とても「天井が高い」感じの森でしたが、足元にはでっかいナメクジがいたりガマガエルがのそのそ歩いていたり、おっきなスズメバチが重低音の羽音を響かせながら飛んでいたり…で、私にとってはワクワクする世界でした。
約30年前、仙台に住む従弟たちが、夏休みでおばあちゃんの家に来ると、毎朝、虫取りに連れて行けとせがまれました。結構取れましたが、徐々に森が暗くなっている感じがしました。
約10年前、今度は甥っ子を山に連れて行きましたが、すっかり山は暗くなり、虫もほとんど取れませんでした。
昨年、長男を連れていくと、全く人が入っていけそうな感じはありませんでした。 (全く(注:原発事故の影響の放射能が)除染されていないこともあり、もともと入っていくことにためらいもありましたが…) 人の手が入らなくなった山は、こんな風に荒れていくんだなーと実感していました。
翻って、先日の里山は、非常に明るく、何本もあったクヌギの木へのアプローチもきちんと道になっており(虫取りの子供たちの足跡でしょうか?)非常に驚きました。 朽木をひっくり返して虫を探すなどという、田舎でもしたことがない経験をしてしまいました。
クヌギの木が何本も生えており、それぞれにカナブンがたかっておりましたが、カナブンが数か所に分かれて計20匹位たかっているクヌギがあったのには驚きました。こんなに虫のいっぱいいる木を見たのは初めてでした。
終了時間間際に、この木のところで、メスのカブトムシを見つけ、木の股に首を突っ込んで抵抗する彼女と格闘すること約20分、ようやく捕獲しましたが、これが誰のものかについて、その後三兄妹でひと悶着(注:もんちゃく:もめること)…。
長男が小学校の図書館でカブトムシ・クワガタ関係の本を3冊も借りてきて一緒に読んでいると、何とビックリ。
『スイカはカブトムシが下痢するのであげないが良い』とのこと。
私は、カブトムシの餌と言えばスイカと思っていました。 ひとまず、東急ストアで買ってきたゼリーを与えておりましたが、小池さんからアドバイスいただき、バナナを与えてみると、更にビックリ。
ゼリーには目もくれずバナナを食っております。日々、新たな発見です。
一方で、ヤゴ君達はまだ3匹生き残っており、この先どうなるものやら・・・。 やたらと水槽ばかり増えていく我が家の玄関です。 ひとまず、カブトムシ相撲に向け、栄養補給に努めたいと思います。 今週末の帰省で新戦力が獲得できると良いのですが…。
「鉄鋼マン」さん、感想をありがとうございました。
「カブトムシには、スイカを与えてはいけない。」と色々な本に書かれていますが、昆虫に下痢…があるのかは、未確認です。
昆虫は野生の生物ですから、自分で何を食べたらいいか、いけないか判断できます。ただし、スイカなど水分が多い食べ物を食べると、水分が多い排泄物(ウンチとオシッコが混ざったもの)を出し、マットの水分が増えて腐敗し、コバエの発生など問題を生じます。
そこで私は、バナナの柔らかくなったものの皮の一部をむいたり、半割にして甲虫ゼリーと一緒に与えています。
バナナは、たんぱく質や糖類などの栄養に富み、卵を産むメスの栄養には良いはずです。スイカは水分補給には良いけれど、栄養分がほとんどないのはご存知の通り。
また、水分が少ないので排泄物も少なく、皮を多くの残しておくと、片方から食べるので散らかりません。また食べ終わった後の皮もしなびて縮み、捨てやすいです。この時期の甲虫たちは大変に食欲旺盛。高価な専用のゼリーばかりでは、なかなか食費がかさみます。
栄養補給がたっぷりできたカブトムシの出場をお待ちしています。
また、昔の里山は、人が下草を刈って「たきつけ」(かまどで最初に火を付ける物)にしたり、畑の堆肥にしたりしました。
またクヌギも薪炭材といって、マキやスミの材料としました。この雑木林にも、そうやって利用された跡があちこちに残っています。
幸い、当日活動した場所も横浜市が買い取り、自然を残した公園として保全する考えのようです。
こうやって、里山と人の暮らしの関わりを学べる場所として維持されることを願っています。
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