文:小池さん
写真:井上さん、平嶋さん、小池さん
小池です。7月25日(土)に本年度5回目の定例活動を実施しましたので、活動報告をします。
《2015年度第5回定例活動報告》
この日も早朝から高温になり、午前午後とも、いつもに増して給水と休息など、安全管理に気を付けて活動をしました。
活動に先立ち、朝8時半からSdyさんと二人で、旧畑でキュウリ、ミニトマト、エダマメ、新畑でカボチャとズッキーニ、スイカの収穫をしました。午後からの大会の優秀者への賞品にするためでした。今年はエダマメもカボチャも良く育ち、良いものがとてもたくさん取れました。
次に10時半からつくし野小学校で会場の準備を始めました。
顧問の平嶋さん、井上さん、樋村さん、一ツ橋大学大学院生の金森さん、卒業生のI君兄弟(高1、中2)、K君(中3)と私の計8名での作業でした。鶴川2小のおやじの会の篠田さんも出場者4名と共に駆けつけてくれました。
今回は10年目、第10回の記念大会でしたので、いくつかの初めての試みをしました。
その一つは運営側のひと:STAFF(スタッフ)にかんたんなTシャツのユニホームを用意したことです。1回限りの利用にならないように黒くてシンプルなものにしました。背中に「STAFF」の文字、カブトムシとカボチャの図柄を入れました。
いつも取材に来てくださるスクール・アメニティの記者岡本さんには「PRESS」と取材者であることをわかるようにしました。
今回の大会の名称などをシールにして胸に付けたのは昨年通り。昨年は地球とカブトムシの実物の写真を付けたのですが、今年はひとひねり。カブトムシとカボチャ(今年も新畑でたくさん作っています)の図案を付けました。
今から300年くらい前、江戸時代中期の日本画家:伊藤若冲(いとうじゃくちゅう:ニワトリなどを精密に描いた絵で有名)の版画集「玄圃瑤華」(げんぽようか)より、背面に「南瓜(カボチャ)」、胸に「玉蜀黍(トウモロコシ)」の一部に描かれたカブトムシをトリミングして用いました。ちょっとおしゃれでしょう?
会場の正面に、本当は一番来たかったであろう田村先生の代わりに「BOSS」のシールを貼りつけたTシャツを飾っておきました。先生のお顔写真もシールで付けておきました。
活動は午後1時からで、つくし野小学校視聴覚室に集合して始めました。
この日用意した競技種目は、恒例の「勝ち抜きトーナメント(個人戦)」「体重別選手権(オス部門・メス部門)」「早登り選手権」の3種目、4部門でした。
受け付け方法を今年は工夫し、初めに3種目のエントリーカードを渡しておく方法を取りました。
はじめに私から、今日の活動の目的と流れを説明しました。
「カブトムシはオモチャではない。私たちヒトと同じ、宇宙船地球号の同じ乗組員。自分たちと同じ大切な命。丁寧に扱って欲しい。けれど、今日はなるべく楽しい時間にしたい…。」とお話ししました。
種目について、「勝ち抜き個人トーナメント」「体重別重さ比べ(オス部門、メス部門)」「早登り競争」それぞれのルールを説明しました。
今年は10周年記念大会でしたので、これまで10年間の歩みを振り返る資料を準備し、カブトムシ相撲の3つの土俵、相撲方式の変遷、現在実施しているカブトムシ相撲のルールなども説明しました。
現在用いているカマボコ型土俵の優れた点と、決まり手も説明しました。ビデオで過去の一本勝の動画も見せてもらいました。初めて見た参加者からは歓声もあがりました。
お話しの中でご紹介した「ものすごい図鑑 カブトムシ」は、NHKのHP(NHK for School)の中にあります。
「ものすごい図鑑を持って、さあ森へ!カブトムシ探検隊」のページの「図鑑はこちら」をクリックすると「ものすごい図鑑 カブトムシ」にとびます。
「観察をはじめる」をクリックすると始まります。カブトムシ(オス)の 体を自由に拡大・回転させながら、さまざまな動画クリップやテキスト(カブトムシの体の秘密など)を楽しむことができる・・・というものです。
出場エントリー者数は、26名でしたので総数32の勝ち抜きトーナメント表に、各自事前に渡しておいた数字の場所に名札(カブトムシの名前、自分の名前や学年・学校名を書いたもの)を貼付け、勝ち進んだ場合は、名札を順次ずらしていく方法を取りました。
次々に対戦する出場者を呼び出し、篠田さんの行事で相撲が進行していきました。熱戦が続く中で、今年も一本勝ちの名勝負がいくつも出ました。一つ一つの勝負の結果に、笑顔も、歓声も、そして涙も…ありました。
トーナメントの相撲に並行して、樋村さんと卒業生の3人が協力して、オス・メス体重別と早登りも進めました。予め、名前などを記入しておくカード方式がうまく機能しました。
事前に告知したのですが、メスを持参した人は少なく、メスの体重別は意外にねらい目になりました。
温度計を持参して室温を確認しながら進めました。部屋が高温でしたし、熱戦が繰り広げられたので、途中で休みを入れることにし、アイスキャンディを買いにスーパーに走ってもらって、皆で食べることにしました。水をよく飲むことも呼びかけました。皆が落ち着いた後、3位決定戦と決勝を行いました。
決勝戦は3本勝負にしましたが、2本連続1本勝ちの結果となりました。
楽しい時間は、あっという間に過ぎていきます。
最後に表彰式をしました。今年は10回目の記念大会でしたので、4つの部門の1、2、3位に賞状とメダル(金・銀・銅)、1位(トーナメント戦には2位にも)には背中に「CHAMPION(チャンピオン:優勝者)」の文字をいれたTシャツを用意しました。これらは5色の色違いにしました。
表彰者は篠田さんにお願いし、表彰状の代読をしていただきました。表彰者のお名前は、お許しを頂いて田村元校長のお名前にしました。
賞品は環境学習のための小物や本、手作りの袋に加え、畑で採れたカボチャ・ズッキーニ・スイカ・キュウリ・ミニトマトをプレゼントしました。各部門の優勝者には、私の手作りのカブトムシとカボチャの図柄を入れたエコバックもプレゼントしました。
これらの多くは、手作りですのでプライスレス(お金の価値に換算できない価値があるということ)です。1位の人はとても持ちきれないほどの量になり、賞品を渡すときにお母さんに手助けをお願いしました。
勝ち抜きの1位はK君(南つくし野小3年)、2位はA君(つくし野小4年)、3位はM君(天使幼稚園年長)でした。
体重別オス部門の1位は、K君(11.0g:つくし野小1年)、2位はKさん(10.95g:長津田小1年)、3位はY君(10.0g:つくし野小)でした。
体重別メス部門の1位は、S君(6.34g:南つくし野3小)、2位はMさん(6.06g:つくし野小1年)、3位はUさん(3.95g:南つくし野小)でした。
早登り部門の1位は、R君(33秒:つくし野小1年)、2位はH君(37秒:鶴川第2小)、3位はTさん(39秒:つくし野小3年)でした。
幸い12名の表彰者に重複は無く、いろいろな学校の参加者に賞が行き、主催者としてはほっとした部分もあったことは認めなくてはなりません。つくし野場所…ですが、つくし野小の児童だけの活動では次第に無くなっていますので…。
最後に、今日のまとめのお話と次回の予告をし、全員で記念写真を写しました。解散時に、参加者全員(基本は家族単位)に、豊作だったエダマメを参加賞としてお渡しすることが出来ました。
とても暑い日になりましたし準備は大変でしたが、参加してくれた皆さんの笑顔が印象に残りました。
運営側は、金銭的な報酬があってこの大会を支えている人はいません。勤務先の評価があるからやっている人もいません。個人の大切な休日を費やして支えてくれているのです。参加料なく、無料(国と市から公的助成を受けています。)で、このレベルの大会を10年続けてこれたことに、裏で支えて下さった皆さんへの感謝を忘れないでほしいと強く強く思います。
繰り返しますが、10年前にこの大会を始めた田村先生の、身近な生命に親しむという目的をもう一度かみしめていただけたらと思います。
今回の活動の参加者数は、 未就学児:6名、1年生:6名、2年生:2名、3年生:5名、4年生:5名、5年生:2名、6年生:2名、中学生3名。高校生1名、保護者:23名、運営側として、中学生:2名、高校生:1名、顧問他7名(中村、篠田、樋村、井上、平嶋、金森、小池)、取材者:1名(岡本)でした。
子どもの合計:32名、大人の合計:31名の総合計63名でした。今回は、鶴川2小から団体での参加者がいましたので、家族数は不正確ですが、およそ20家族ほどでした。
参加校は、つくし野小以外の児童は、南つくし野小(3名)、南第三小(2名)、鶴川第二小(5名)、長津田小(1名)、天使幼稚園(1名)、中学校3校、高校1校の合計10校でした。
大会の終了後、トーナメントの優勝者K君(南つくし野小3年生)のお母さまと、ご本人からのメッセージを頂きましたので、ご紹介しておきます。
《K君のお母さまよりのコメント》
カブトムシ相撲大会お疲れ様でした。また、多くの副賞をありがとうございました。
息子もとても喜んで、夏休みの一番の思い出になったようです。 写真はiPhoneで撮った後ろ姿しかないのですが… 。
《K君よりのコメント》
決勝の対戦相手は、自分より学年も体も大きな相手だったので、負けるか…もと、ドキドキしました。それでも勝てたので、とても嬉しかったです。
決勝戦まで勝ち進むのは、ホールド勝ちがほとんどだったけれど、決勝では2本とも、1本勝ちをしてくれて、戦ったカブトムシに僕の気持ちが伝わったのだな…と思いました。
明日からキャンプに行くので、鶴川2小で来週開かれるカブトムシ相撲町田場所用の出場選手の獲得とクワガタをゲット出来るよう頑張りたいです。
・・・とのことでした。町田場所も頑張って!!
この活動は、つくし野の街(を中心とした地区)に育つ子どもたちが、子供たちの時間にこそ経験すべき様々な体験活動を、小学校の公的活動では実施しにくい内容を優先し、特に環境学習の視点を重視しつつ企画し、実施しています。
この考えは活動創設の10年前から一切ぶれておらず、今後も変わりません。参加して下さった皆さん、ありがとうございました。準備や活動を支えて下さった皆さんへの感謝の気持ちを忘れずに!
《おまけその1:スクールニュース》
いつもの教育施設系月刊「スクール・アメニティ」誌の記者、岡本さんがこの日も取材に来てくださいました。「スクール・ニュース」の記事は下記です。
↓
『スクールニュース vol.139 編集部から 体験型環境教育の現場
つくし野ビオトーププロジェクトシーズンX』
《おまけその2:田村先生への報告》
先生はご自宅で病気療養中なのですが、とてもうれしそうに私を迎えてくださいました。大会の写真もお見せすることが出来ました。一日も早く、元気になられて活動を見に来てくださいと、お願いしました。
《おまけその3:畑に外来種の大型インコ飛来》
この写真は、25日の17時前に新畑の車道側から写したものです。体長40センチほどもある大型の緑色のインコが、ヒマワリのタネをむさぼるように食べています。つがい(オスとメスの2匹のこと)でいました。
このインコの名前は、ワカケホンセイインコ(オウム目オウム科ホンセイインコ属ホンセイインコ種の亜種)。
成鳥のオスの首の周りに黒い輪状の羽毛があるのでワカケホンセイインコ(漢字で書くと輪掛本青鸚哥)という名前です。上嘴は大きくて赤く下嘴は黒いのですが見えません。インド中部、スリランカが原産のトリです。寿命は飼育環境では20年と、とても長生きします。それがどうしてつくし野に居るのでしょうか?
書物によれば、昭和50年代後半に小鳥を飼うブームがあり「月の輪インコ」の名前で売られていたようです。多数のヒトの言葉を覚え、面白いダンスのような行動をとるので、ペットとして人気があった時期があるようです。
それが意外に大型で、臆病な性格からひとに噛みついたりして、凶暴な一面があることから放されたりし、東京では23区西南部の住宅地で1969年ころから定着し、繁殖するようになったとか…。
目黒の大学の森では、この鳥が1000羽ほどの集団を作って飛び回っているのだそうです。この知識は知っていたのですが、つくし野で見たのは初めてでした。
活動の中でも、ミドリガメが大きくなって飼えなくなっても川や湖に放してはいけない。外来種として日本のカメたちの居場所を奪ってしまう。北海道にはもともとカブトムシは居なかったけれど、多分転勤で引っ越しの時に持って行った子供たちが放して、今は居る…。
こういう生き物を国内外来種と言って、もともとその土地の生態系に影響を及ぼしてしまう、やってはいけない事だというお話をしましたね…。
この日も、つくし野に昔からいるカラスの仲間オナガ(40センチくらいで青い羽根を持ち、黒いベレー帽をかぶったような姿)と食べるものが似ているので、大きな声で鳴き、追い立てる様が見られました。つくし野に住みついたワカケホンセイインコはこれからどう、私たちやもともとつくし野に暮らす生き物たちに影響していくのでしょう。気になります。
《おまけその4:「鉄鋼マン」さんからのお便り》
「鉄鋼マン」さんより、当日の感想などのおたよりをいただきましたのでご紹介します。
一部小池の責任で文章を調整させていただいています。
カブトムシ相撲大会には、当家の子供3人、親二人に、次男のお友達のR君も加わって6人で参加させていただきました。
(R君パパは遅れて参加しました。)
子供たちは皆、張り切って出かけましたが、カブトムシ相撲トーナメント戦は4人ともあえなく初戦敗退してしまいました。
その代わり、早登り競争と体重コンテストは、皆、それぞれに良いところまで行ったようで、特に、体重コンテストでは、長男が金メダルを頂きました。
カブトムシ相撲は、途中からすっかり他人事になってしまいましたが最後の決勝戦は、すごかったですね。三本勝負の予定でしたが、二本連続の一本勝ち、大変盛り上がりました。心なしかおじさんの歓声が多かったようでしたが・・・。
小学一年生の参加が多かったようですが(注:実際は学年のバランスは良かった大会でした。)、私は名前しか知らないお友達が、何人か入賞していたようです。
夏休みの思い出として、新学期につくし野小学校の一年生の教室でもひとしきり盛り上がるのではないかと思います。
長男は、今まで、「紙のメダル」しか貰ったことがないのに、初めて本格的なメダルを貰ったと大喜びで、参加賞としていただいた枝豆を食べていました。日ごろはあまり食べないのですが、気分が良かったのだろうと思います。
早くも、来年に向けカブトムシを繁殖させたいと子供たちが言いますので、小池さんにアドバイスもいただき、3人分3番(つがい)を水槽を分けて飼うことにしました。
しかしながら、早くも、長男のメスが死んでしまい、やもめ(注:奥さんを無くしてしまった男の人のこと)になってしまいましたので、これからカブトムシの宝庫と噂の何とか公園に遠征して、嫁さがしに精を出さねばなりません。
(このあたり、「小池さんの青写真」からは早速ずれております。人生はままならないものです)
現状、当家の玄関は、カブトムシの大きな水槽が三つならび、まだ二匹生き残っているヤゴ君の水槽・クワガタの水槽もあり、水槽及び虫たちの臭い(いちおう「におい」)で溢れております。
次回、川の回で、ザリガニを飼いたいなどと言い出さないよう、今から子供たちには、『キャッチ&リリース』を呼びかけております。
大会の後、椅子の片づけ等を手伝っていたら、外に遊びに行っていた次男が『生きてるセミの抜け殻が歩いていた』といって、セミの幼虫を持ってきました。
『おいおい抜け殻じゃないだろう。木に戻してあげなさい。』というと、今度は、『セミが落っこちてきた』と言ってクマゼミを持ってきました。
うちの子供たちは、畑ではミミズやナメクジをつかみ、里山ではヤマビル(注:人の血を吸う生き物)を触ろうとし(さすがに止めましたが)、今回はセミの幼虫を掴み、と、田舎育ちの私もしたことのない経験をさせていただいています。
大会当日、所用があり、午前11時ごろ小学校に行った際、午後からの会場になった視聴覚室を覗くと、小池さん以下、毎回運営いただいている皆さんに加え、今回お手伝い頂いたお兄さん(注:中学生2名、高校生1名)達も含め、多くの皆さんが準備してくださっていました。
おかげさまでうちの子たちも含め、地域の子供たちが貴重な体験をすることができています。大変ありがたいことだと思います。
引き続き、よろしくお願い申し上げます。
・・・とても、うれしいメッセージでした。
今回、卒業生の中高生が裏方として、手伝ってくれたことはとてもうれしいことでした。
夜なべして、メダルを作ったかいがありました。メダルは、アクリルの円盤に、本物の真鍮・アルミニウム・銅の円盤を張り付けて作ってあります。さすがに、金と銀は代用品でしたが・・・。
メダルの後ろ側には、種目などが書かれたシールを張り付けてあります。大切にしてくださいね・・・・!
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