文:小池さん
写真:井上さん、平嶋さん、小池さん
小池です。10月18日(日)に本年度7回目(特別活動3回を合わせると10回目)の定例活動を実施しましたので活動報告をします。
前日の開催予定でしたが、雨の予報で、1日順延した開催となりました。
《2015年度第7回定例活動報告》
この日は珍しく、開催日を雨天順延(天気が雨で活動をできないので、次の日に伸ばすこと)しての実施となりました。朝は、くもりがちでしたが次第に晴れ間も広がり、気温・湿度とも高くなく、快適な活動日よりとなりました。
午前中から準備を始めました。農業資材の片付けやネット外しなどをしました。高温になれば、タープの設置も考えたのですが、ちょうどビワの木に木陰が出来、空も見える快適な空間でしたので、ブルーシートを敷いたのみにしました。
顧問の平嶋さん、樋村さんご夫妻、高見さん、井上さんと私の計6名での準備作業でした。中村さんは、午後から、軽トラックを出動して下さってのご支援を頂きました。
準備を終えると畑の隅っこで簡単な食事をし、参加者はつくし小東門午後1時集合でしたので、わたしと高見さんの二人で集合場所に向かい、皆さんを待っていました。
いつもながら、集合時間ぎりぎりになっても集まってくる家族は少なく、心配しましたが、やや遅刻気味で6家族が集まってきてくれ、ほっとしました。高見さんの持つ活動旗を先頭に、活動場所に移動しました。
初めに私から、今日の活動のおおまかな手順と注意事項を説明しました。この日の活動プログラムは、2つの畑で様々な作物を収穫することとバッタなどを観察することが目的でした。
はじめに、ラッカセイの茎に種(落花生)がぶら下がっていて、花が咲くとタネに成長する部分が土の中に入って実るこの作物の特徴を話しました。
ラッカセイ(落花生)には別の呼び名があります。マメの仲間ですので、エンドウ豆のような豆の仲間を指す「ピー」を頭につけ、木の実のことを指す「ナッツ」をお尻につけ、合わせて「ピーナッツ」とも呼びます。
植物には、種類によって、本当に様々な種の付き方がするものがあります。
私が今年も自宅玄関のバケツで育てているイネもお見せしました。今年は、やや遅く植えたので稲穂がなかなか出なくて心配しましたが、ようやく稲穂らしく実って穂を垂れてきました。イネの実はコメ、コメを料理したものはご飯…と呼びますから、コメは一番身近な種ともいえます。
インドにある不思議な植物で、ブッダナッツ(直訳すれば仏様の木の実)という面白い植物の実物もお見せしました。中の種は入っていませんでしたが、日本にあるカエデの実のように、大きな羽が付き、ひらひらと風に舞いながら飛んでいく不思議な種が入っていた「カラ」に相当する部分です。
クリのような大きくて丸い可愛い形をしたタネをみせて、種類を皆さんに聞きました。意外にだれも答えられなくて不思議でしたが、これはつくし野の街にたくさん街路樹として植えられているトチの木の実でした。
風が強い日には、朝の私の駅までの出勤路の歩道上にごろごろと落ちていて、とてもかわいらしいのが好きで拾って乾かしておいたのです。放っておくと車道に転がって行って、車に引かれてしまい、道も汚れるし、何よりかわいそうですしね…。これはたくさんあったので、後で希望者にプレゼントしました。
同じように、木の枝からぶら下がったボンボンのような実をお見せしましたが、これもなかなか答えが出ませんでした。答えはスズカケの木の実でした。
すずかけ台の駅近くに住んでいる人も居るはずで、これもたくさん街路樹として植えられているのに、知らない人が多く、驚きました。
次に2つ目のテーマのバッタのお話しをしました。バッタには大きく3つの種類があること。それは、トノサマバッタの仲間、キリギリスの仲間、コオロギの仲間です。
トノサマバッタの写真集をもとに、トノサマバッタの一生をお話ししました。トノサマバッタは、活動場所よりももっと開けた河原のような場所が好きで、この畑にはいません。
この畑の中にたくさんいるのは、ショウリョウバッタ、オンブバッタ、クサキリなどであるというお話をしました。
バッタのお話しの中で、サプライズで用意しておいたある食べ物を皆で試食しました。嫌な人は無理して食べなくても良いと繰り返し話しましたが、一家族を除いて皆が食べることが出来ました。
これは私の大好物で、イナゴの佃煮でした。皆さんに食べてもらったのは、水天宮駅近くのお店で数日前に買っておいたものですが、2週ほど前に、恩田駅の近くの畑で自分で捕まえ、自作した時の料理の写真は、別の記事で紹介します。
むかし子供のころに見た「ジャングル大帝」というアニメの最終回では、主人公の白いライオン「レオ」が、これからは肉食動物は、草食動物を食べないようにしよう、代わりに昆虫を食べようと提案して終わります。
さすがにライオンはバッタを食べませんが、同じネコ科のイエネコは、昆虫も食べます。世界中でこれから食糧が不足すると人間はウシやブタは食べられなくなり、昆虫も重要な食料にしなければならないという国際機関の報告があります。
何故かと言えば、昆虫は食料としてはとても効率が良いのだそうです。昆虫は、食べたものの4割を自分の体にする能力があるのだそうです。
ニワトリでも1割ほど。ウシに至っては、1~2%というのですから驚きます。牛の肉は、とても贅沢な食べ物…ということになりますね…。
お話しの後、水分補給をしてから、先ず新畑に全員で向かいました。
入口のところで、野菜の苗を樋村さんと二人で植えたものを紹介しました。キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、パプリカ、芽キャベツなどです。この内、ENさんに苗を頂いたものは、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリーです。
すぐ横に、私が夏の終わりに植えておいた、チンゲンサイとベンリ菜の2種の野菜がとてもきれいに成長していたので、参加者全員がたっぷり収穫できました。
一切、農薬はまいていなくて草取りをしただけですので、バッタに葉っぱが食べられて穴だらけになっている部分もありますが、その分、農薬的には安全という事でもあります。
新畑の奥の方では、カボチャとユウガオが採れました。カボチャは皆やや小ぶりでしたが、ユウガオは子どもではぎりぎり持てる位に巨大に育っていました。
収穫の中で、今年もネズミが隠れていて飛び出して驚きました。今年は1匹でなく、3〜4匹居たように思います。畑に入っていた子どもたちの足元を逃げて回り、スリリングな体験になりました。
前にも書きましたが、カボチャの種が栄養たっぷりなので、ここに居ついてしまったようです。昨年は捕まえて観察しましたが、今年は捕まえられませんでした。今年は写真を写せなかったのが残念でした。
新畑に移動し、こちらでは、ミニトマト、ニンジン、エダマメ、サヤインゲン、ラッカセイを収穫しました。
特に、ニンジンは、間引きをしませんでしたので、大きさはまちまちでしたが、立派に育っているものもありました。ニンジンはキアゲハの幼虫の食草ですので、春先のようにキアゲハの黒と黄色のストライプの3齢幼虫が何匹もいました。
自宅で育てたいという子がいたので、飼い方をアドバイスしました。ニンジンの葉っぱは、スーパーで売っているものは、ニンジンの栄養を吸い取ってしまうので切り落とされています。しかしこれは新鮮なので茹でたり、かき揚げにして食べられる…とお話ししました。
落花生は、引っこ抜くとたくさんぶら下がっているものもあり、楽しい収穫になりました。地面の中で発芽して、根っこが殻から飛び出しているものもありました。
午前中の活動で捕まえたカブトムシの幼虫は、堆肥置き場で見つけたものですが、栄養状態が良かったせいか、随分大きくなっていて、20匹ほどいました。希望者には、中村さんが堆肥を分けて下さり、持ち帰って飼うことにしました。
この写真は、午前中に高見さんが、堆肥置き場でカブトムシの幼虫を探しているところです。
楽しい時間は、あっという間に過ぎていきます。
この日は、様々な種類の野菜があり、量もたっぷりあり、参加者数も限られていましたので、十分な量のお土産が出来ました。顧問も含めてなるべく平等に分けたいと考え、新聞紙に広げて分けました。
秋の陽をあびて、収穫した野菜たちがとても美しく輝いて見えました。ミニトマトなど、写真に写すとキャビアのようでしょう??サヤインゲンも段ボール一杯採れました。落花生も十分な量が採れました。楽しくも幸せな秋の1日となりました。
今回の活動の参加者数は、 未就学児:3名、1年生:3名、2年生:2名、3年生:2名、4年生:0名、5年生:0名、6年生:0名、中学生0名。高校生0名、保護者:9名、運営側として、顧問他6名(樋村夫妻、平嶋、高見、井上、小池)、取材者:1名(岡本)でした。子どもの合計:10名、大人の合計:16名の総合計26名でした。
参加校は、つくし野小以外の児童は、南つくし野小、第一富士幼稚園、つくし野天使幼稚園でした。
成瀬から参加して下さった母子は、9月の川の活動の時に、現地で偶然知り合ったお二人でした。インターネットで、この活動のことを調べて下さり、電車に乗ってきてくださったということで、とてもうれしく思いました。
この活動は、つくし野の街(を中心とした地区)に育つ子どもたちが、子供たちの時間にこそ経験すべき様々な体験活動を、小学校の公的活動では実施しにくい内容を優先し、特に環境学習の視点を重視しつつ企画し、実施しています。主催者は公的助成先から一切の個人報酬を受けていません。勤務先からも一切の補助・評価も受けていません。常識的な範囲で、安全安心な活動の実現に努めています。この考えは活動創設の10年前から一切ぶれておらず、今後も変わりません。
参加して下さった皆さん、ありがとうございました。準備や活動を支えて下さった皆さんへの感謝の気持ちを忘れずに!
《おまけ:スクールニュース》
いつもの教育施設系月刊「スクール・アメニティ」誌の記者、岡本さんがこの日も取材に来てくださいました。「スクール・ニュース」の記事は、下記です。
↓
『スクールニュース vol.149 編集部から 体験型環境教育の現場
つくし野ビオトーププロジェクトシーズンX 10月』
この日は、岡本さんにもむりやり野菜のお土産を差し上げてしまいました。無論、お世話になっている、ENさんやご近所にも、活動の終了後、お届けしました。
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