写真:岡本さん、平嶋、井上、小池
編集:平嶋
4月23日(土)、活動歴11年目となる本年度定例第1回目の活動を実施しましたので活動報告をします。(小池常雄)
《2016年度第1回定例活動報告》
本年度は、この活動が2005年5月に始まって11年目。もう、この種の任意の環境学習としては、長い歴史…と言ってよいだろう時間を経て、また今年も新しい年の活動のはじまりです。
11時から、畑で準備を始めました。
作物の生育は良く、こちらの方はあまり心配なかったのですが、先日の強風で、ソラマメが倒れていたりしたので、支えを作りたかったのです。さらに、移動式に変更した活動の看板を掛けたり、活動旗を立てられるようにしたかったのです。
畑の隅に活動旗を立てる準備をしていたら、中村さんが青と緑の2匹のこいのぼりを貸して下さることになりました。二人のお孫さんの物のようでしたが、この時期の青空にはふさわしく、せっかくですのでお借りすることにしました。
準備作業は、樋村ご夫妻、平嶋さんと小池で進めました。
13時開始という案内を出していましたので、あまり時間は無く、先に井上さんに会場に行っていただき、ビデオなどの準備をしていただきました。私たちは、はたけの隅っこで、おにぎりやサンドイッチの簡単な昼食を済ませ、小学校に移動。
この日は、午前中は肌寒いくもり空でしたが、活動時間頃には晴れ、天候も気温も活動に適した活動日和となりました。翌日は、終日冷たい霧雨が降り続く日になりましたので、この時間だけが良い天気でした。
今は天国に居られる、この活動の創始者田村健治先生は、校長の時、活動の日がいつも晴れになるので晴れ男(いつも晴れの天気を呼び込む人のこと)と言われていましたが、その先生が天国から晴天をもたらして下さっているような幸せな気持になりました。
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視聴覚室で、机や椅子を並べ、配布物や掲示物などの準備をして参加者の到着を待ちました。続々と参加者が集まって下さいましたが、初めての参加者がおおく、過半を占めていたことが印象的でした。
配布物は、活動の歴史や成果の紹介、年間活動計画表、名札などです。これに、子どもゆめ基金の紹介チラシ、東京新聞の連載、スクールアメニティの紹介記事なども配布しました。
初めに、わたし小池から今年も活動を実施することをお話しし、この活動を支えて下さっている、メンバーをご紹介しました。
今年は、「よくある質問」…という説明資料を作り、これを基に、この活動のなりたちや歴史、保険のことなどをご説明する工夫をしました。
今年度は、4つの助成を受けて活動することになりました。それらの一つずつについて、簡単な説明もしました。
国(子どもゆめ基金)、町田市(地域子ども教室)、サントリー世界愛鳥基金、セブンイレブン記念基金…という、いずれも権威ある、とても立派な背景を持った制度・助成の支援をいただけることになりました。
サントリー世界愛鳥基金のパンフより |
丁寧で中身の濃い活動を実施し、それぞれの助成の期待に応える高い成果を上げなくてはなりません。
私からの言葉での説明は、長くなると皆さんは退屈してしまうので、井上さんが作って下さった、年間の活動を写真や動画で紹介する、毎年お楽しみのビデオを見ました。
映画「スターウォーズ」のオープニングのような始まりで、この活動創設者の故田村健治先生の遺された文章からはじまりました。
井上さんの作って下さるビデオは、従来、開催順に4月、5月、・・・と順番に内容を紹介していく方式だったのですが、今年は趣向を変え、活動の内容に沿い、畑の活動、カブトムシ相撲大会、プールや川の活動、焚き火、巣箱作り、里山ハイキング、大学の先生をお招きしてのお話し…と活動内容をまとめて、整理した形での紹介でした。
この方法だと、複数の活動の関係性が良く理解できて、わかりやすいものになりました。20分ほどのオリジナルビデオを見た後は、昨年MXTVに紹介された2回のニュース映像を見ました。
これもまた、あれからもう1年が過ぎたのか…という印象を持つものでもありました。
皆さんと一緒に、また1年、環境学習を通じて、地球のこと、生き物のこと、作物や食べ物のこと、生物多様性のことなど、一緒に勉強していきたいとお話ししました。
視聴覚室での説明の後は、皆で、椅子などをいそいで片付け、徒歩で畑に向いました。50名弱のいつもよりやや多い参加者が、つくし野の街を平嶋さんの持つ活動旗を先頭に、移動していきます。天気が快適でしたので、皆、なんだか楽しそうです。
畑につくと、すぐに活動旗をこいのぼりの上に付け、活動開始です。
初めに、荷物を置いて、水分補給。あたたかくなって、のどが渇くので、熱中症対策にも水分補給は欠かせません。
ホウレンソウの収穫をしました。日本ホウレンソウと西洋ホウレンソウの2種類を蒔いておきましたが、どちらも生育が良く、それぞれの特徴が良くわかります。
日本ホウレンソウは、葉がとても肉厚で平たく広がっています。葉っぱはまるくとがっていません。一方で、西洋ホウレンソウは、葉っぱは薄く、ギザギザが多く、上の方にのび、とてもスマート。
子供たちは、ウネに行儀よく並んで収穫です。とくに日本ホウレンソウの株は、とても大きなものがあり、直径30センチほどに成長したものもありました。
収穫の方法は、間引き方式でしました。成長が良いものを根っこのところでハサミで切ると、すぐ横の陰になっていた株が日をよく浴びることが出来るようになり、すぐに大きくなり、またたくさんの収穫が出来るようになるのです。根元のハサミを入れる場所が少しむつかしかったかな??
日本ホウレンソウ、西洋ホウレンソウの順に各自、ビニール袋一杯の収穫が出来ました。
次は、袋を取替えて、ベビーリーフの収穫をしました。こちらも2カ月ほど前から準備をし、不織布をかけて、大事に育てていたもの。
全くの無農薬で作りましたので、一部は虫に食われていたもののありましたが、それでも薄緑色の若菜はみずみずしく、柔らかく、軽く洗うだけで、そのまま食べられるとお話ししました。
サヤエンドウも、少し早めでしたが、収穫できました。子供たちに収穫しやすい低いところにたくさんなっていて、大人より子供たちの方が取りやすかったかな?ブロッコリーの芽ももうおしまい近い状態でしたが、収穫できました。
さてさて、この後は、サプライズの企画!
ヒント:「た」のつく作物の収穫です。
後で聞いたら、「タ」のつく作物と聞いて、「タロイモ」かな?と思った、お母さんがいたのだそうで、企画側としては逆にビックリ。日本で作れるのかな?
中村さんのご厚意で、竹林で、タケノコの収穫をさせていただいたのです。これは多くのご家族で初めての経験だったのでは?
竹林の中で、中村さんに掘り方の注意を受けます。斜面だったので、小さい子には十分注意して欲しいとお願いしました。
タケノコを掘る前に、中村さんの掘り方の模範演技?です。子供たちも保護者の皆さんも初めての人が多かった見えて、とても興味深そうにのぞき込みます。
タケノコ掘りはなかなかの重労働。お父さんたちが大活躍でした。芽が出たものを見つけて、是非掘ってほしいと、ずっと手で押さえている女の子がいて笑えました。
何やかや、大小様々でしたが、都合20本ほどのタケノコが収穫でき、これを前に集合写真を写しました。
観光のタケノコ狩りは、掘った人がそれを持ち帰ることが出来るのでしょうが、この活動は体験を重視した環境学習です。ついては、くじ引きで、どれを持ち帰ることが出来るか決めることにしました。全家族に、何らかのタケノコを持ち帰れたと思います。
この日は、収穫体験と言いながら、意外に多くの収穫があり、袋を持った満足そうな子供たち、そして晩ごはんを何にしようかと思案顔のお母さんたちの顔が見られました。
後で、メールをいただきましたが、ホウレンソウは肉厚で、とてもおいしかったとのこと。寒さに耐えて、時間をかけて露地で成長した作物は味が濃く、格別のものがあります。
活動の中で、繰り返し私が口にしたのは、参加者の皆さんにプレゼントしたいのは、物ではないということです。
もちろん、ホウレンソウも、サヤエンドウも、ブロッコリーも、ベビーリーフも、タケノコも、それぞれは物なのですが、それを収穫するという経験をプレゼントしたかったのです。
食べ物は、食べてしまえば、体の基になりますが、見えなくなってしまいます。
それに対して、こういう体験もその後は、見えなくなってしまいますが、子供たちやひょっとしたら私をふくめた大人たちの成長にも、とても栄養豊富なものだと思うのです。
是非是非、この活動の真の目的を理解して、今年も参加していただければ…と願っています。
今回の参加者数は、 未就学児:9名、1年生:5名、2年生:2名、3年生:3名、4年生:1名、5年生:1名、6年生:0名、中学生2名、高校生0名、保護者:16名で、参加者は15家族でした。
運営側として、顧問他7名(中村、樋村ご夫妻、井上、高見、平嶋、小池)、取材者:1名(スクール・アメニティ:岡本さん)でした。
中学生を含めた子どもの合計:23名、大人の合計:24名の総合計47名でした。運営側も含めると、子供とおとな数がほぼ同数の活動になりました。
参加校は、つくし野小、つくし野天使幼稚園以外は、南つくし野小、成瀬台小、つつじヶ丘小、南成瀬中学校でした。
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この活動は、つくし野の街(を中心とした地区)に育つ子どもたちが、子供たちの時間にこそ経験すべき様々な体験活動を、小学校や幼稚園の公的活動では実施しにくい内容を優先し、特に環境学習の視点を重視しつつ企画し、実施しています。主催者は公的助成などから一切の個人報酬を受けていません。勤務先からも一切の補助・評価も受けていません。公的助成の一部で活動保険を掛けた上、常識的な考え方で、安全安心な活動の実現に努めています。いたずらに参加者を多く募るようなこともしていません。この考えは故田村健治元校長先生が活動を創設された10年前から一切ぶれておらず、今後も変わりません。
参加して下さった皆さん、ありがとうございました。準備や活動を支えて下さった皆さんへの感謝の気持ちを忘れずに!
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