文・写真:小池さん
前回の活動を終えてから、すでに1週間以上が過ぎようとしています。
皆さんと一緒にプールから救出したヤゴ2681匹のその後は、どうなっているでしょう。小学校のトンボ池に放したヤゴたちは、まだ、確認できていません。22日土曜日の道徳の授業参観の時に見に行きましたが、羽化した後の抜け殻は見つけられませんでした。大きめの魚もいますので、食べられたかもしれません。
3年生の教材として、先生に預けたものは、共食いしながらも、羽化したと連絡がありました。教室の中を羽化したトンボがぶんぶんと飛んでいるとの話も聞きました。
みなさんが自宅に連れ帰ったヤゴたちは羽化しましたか?
ここでは、私が連れ帰ったヤゴたちのその後の様子を報告したく思います。
白く光っているのは、ミジンコたちです。光る水面と、光る底の砂に引き寄せられている様がわかります。難しくいうと「光に対する正の走性」(ひかりの方向にむかって寄っていく性質)というのかな?これは高校の生物で習った気がします。
そのミジンコたちも次の日にはすっかりいなくなり、ヤゴたちのお腹の中へ?
ヤゴたちを観察していると、上に上りたくてうずうずしている様子が見えました。
そこであわてて台所にあった菜箸(さいばし:料理につかう竹でできた長いおはし)を2本ほど、砂にさしました。そうしたら、次々と羽化。
活動の翌朝、日曜日の朝、起きたとき写した写真です。
エサとしてのヤゴはどうも「うなちゃん」のお気に召さないらしく食べません。庭の雨水を集めているペットボトルに移しました。こちらには、庭木の剪定したものを差し、次々羽化。
水槽に移したもの以外は、玄関先の水盤のマイクロビオトープに移しました。
また、バケツ稲のバケツにも数匹入れました。
マイクロビオトープは枯れた木の根やガマ・スイレンを育てていますので、ヤゴたちにはいい環境の様子。
そのあとの数日、毎夜、10匹前後が次々羽化しています。
共食いも心配したのですが、終齢(ヤゴたちは去年の夏から10回以上脱皮を繰り返して、羽化する直前の最後の状態)に達していたヤゴたちは、もうあまり食欲はなく、羽化したくてうずうずしていた様子。
いくつもいい写真が写せました。
でもよくよく観察していると、羽化しようとしたヤゴが、皆成功するわけではないのです。
羽化したばかりで、体が柔らかい時に、アリたちに発見されてしまうと、すぐにたくさんのアリに襲われて食べられてしまいます。
羽化するために上陸するのにいい場所があり、ここはもう人間で言えば、朝の駅のラッシュ状態。
人間には、蒸し暑くてたいへんな季節ですが、トンボたちにとっては夏を迎えるまえに羽化を果たさねばならない、大切な時期です。
羽化を見ていると、失敗するヤゴが多いことに気づきます。
羽がうまく伸びなくて飛び立てないもの、雨に打たれて水面に落ちてるもの、有るに食べられてしまうもの…。身近ではありますが、厳しい自然の法則が厳しく適用されてもいます。
みなさんの家でも、1匹でも多くのヤゴがつくし野の空に飛び立ってくれるといいなと願っています。
最後に一つお詫び。
前回の活動の中で、I君から、「イトトンボのヤゴがいた!」との報告があったのです。
集計していたお母さんからはその報告はなく、集計表にも記載がなく、姿もみられませんでしたので、最終集計には入れませんでした。
しかし、後日、あるお母さんから、確かにいたとの報告を受けました。
I君にはお詫びするとともに、集計表を改めます。
また、来年度からは見つけにくい(他のヤゴと比べて、細く弱々しくふにゃふにゃしているのです。)イトトンボのヤゴの見つけ方の注意をうまく伝えたいと思います。
「I君ごめんね!!」
みなさんの自宅でのトンボの写真を撮れたら、文章はなくとも送ってくれたらうれしいです。
1 件のコメント:
このヤゴたち、つくし野小学校のプールにいたおかげで救出され、立派にトンボになれて、本当にラッキーなこと!!
我が家は3匹だけとびたっていきました。
今年で二度目ですが、不思議で神秘的です、ヤゴたちは。
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