次の活動実施予告・実施済の報告


◎2024年度もつくし野ビオトーププロジェクトを実施します。
〇第1回定例活動は4月20日土専用畑で年間プログラムの発表や新キャベツと「?」の収穫体験などです。希望者にカブトムシの幼虫配布もします。
〇 第1回特別活動は、実施日・内容ともに未定です。

2010/06/05

10年度 第4回 活動報告 「プールからヤゴを救出しよう」

文・写真: 長岡顧問

6月5日(土)は、プール清掃前のヤゴを救出活動でした。70名の児童と約50名の保護者の方々にご参加いただきました。また、田村前校長先生に特別参加をお願いし、活動前に笹舟の作り方のご指導をお願いしました。


この活動は今年で5年目になりますが、単にヤゴ取りイベントで終わらないように、ビオトープ活動として子供たちに科学的な思考を持ってもらうきっかけになればと、2008年からは記録を残し、前年秋の取り組みが翌年にどのような影響を与えるか考えるようにしています。

以下は、昨年9月29日の活動報告からの抜粋です。

午前中に奈良川でカヤを刈って袋に入れておいたものを帰りに車で学校に運んでもらい、学校に戻ってから都合のついたこども達とプールに入れました。

昨年(2008年)より1ヶ月早い準備でしたので、来年は今年以上の多種類のヤゴが見られそうです。当日(2009年9月29日)も、プールの上をギンヤンマが飛んでいました。

トンボの卵の産み方は以下の通りです。

アカトンボ、シオカラトンボ 直接水面に産みます。

イトトンボ、ヤンマ 水草のくきの中など、植物の中に産み付けます。

カヤをプールに入れたのはヤンマの産卵を可能にするためです。

そして今年のプールの水抜きの前の状態です。小澤校長先生にお願いして写真を撮っておいていただきました。カヤが沈まないようにプールの水面に網をはっていましたが、すでにカヤはかなり分解しています。


6月5日の状況です。水を抜いても網とカヤが乾かないように、水抜きの前に網を水中に沈めてあります。


まず、お父さん方に網を網を寄せてもらいました。


そして恒例の田村前校長先生の網の使い方の模範演技です。


そして、お待ちかねのヤゴ採取の開始です。


ヤゴを捕獲する救出チームと、それを受け取ってどの種類が何匹いるか数えるグループ分けチームの2つに分けて行いました。チームは途中で交代します。それぞれ、10分1回、15分1回です。最後は両チームで5分です。また、お母さん方には、集計と再分類をお願いしました。


そして今年の結果です。



ヤゴの種類アカトンボ類シオカラトンボ類イトトンボヤンマ
2010年6月5日379001277

予想を上回るヤンマの数でした。アカトンボ類は数がずいぶん減りました。

これまでのまとめです。

ヤゴの種類アカトンボ類シオカラトンボ類イトトンボヤンマ
2006年6月記録なし
2006年 秋落ち葉を集めてプールに投げ込んだそうです
2007年6月いたいたいた?0
2007年 秋なにもしませんでした。自然に飛んできた落ち葉のみ。
2008年6月528000
2008年10月11日水面にあみをはって、草とわらを投げ込み、水面にうかせました。
2009年6月7日1770122
2009年9月19日水面にあみをはって、草を投げ込みました。
2010年6月5日379001277


活動報告 08年度 第3回 「水中に棲む生き物を観察しよう」

09年度 第3回 結果報告とヤゴ救出「ビオトープ実験」

この結果をどう解釈できるでしょうか。

ヤンマが見つかるようになったのは、前年の秋に草を入れてからです。しかし、昨年は2匹、今年は1277匹。この違いは草を入れた時期でしょうか。一昨年は10月でトンボの数は少なくなっていました。昨年は9月。活動報告にヤンマが飛んでいたとの記録があります。

では、なぜアカトンボ類が減ったのでしょうか。自宅で飼育してみてわかったのですが、ヤンマはかなりどう猛で、一晩小型水槽に2匹のヤンマと赤虫を複数入れたままにしておいたところ、翌日にはヤンマ1匹になっていました。小型のヤゴのアカトンボ類はヤンマの餌になった可能性が高いと思われます。

それにしても、なぜここまでヤンマの数が増えたのでしょうか。今年はなぜか、巨大な食用カエルがプールに1匹いました。かなりのヤゴが餌となったと思われますが、しょせん1匹です。ヤンマはプールでは食物連鎖の最上位の生き物で、カエル以外にヤンマを食べるものはいなかったのでしょう。これが自然の池や小川だった場合には、魚やカエルなどがヤンマを餌としているはずです。やはり、プールは自然ではありません。参加した児童が自宅にヤンマを持ち帰りましたが、1000匹近いヤンマと350匹以上のアカトンボ類のヤゴが残りました。これだけのヤゴを自然の池や川に放すことはできませんので、一部は職員室の前の2台の水槽に観察用に入れてありますが、トンボ池に大部分を放しました。


ところで、トンボ池も5年目です。最初の年の写真と比べると5年間で自然の池に近づいてきました。

最初の年(2006年)のトンボ池

2年目(2007年)のトンボ池

3年目(2008年)のトンボ池

4年目(2009年)のトンボ池

5年目(2010年)のトンボ池

手を加えないでも水は透明ですし、水生植物がかなり繁殖しています。最初の年2006年は藻の発生で水が緑色に濁り水中ポンプのシャワーを作りましたが、水は透明になりませんでした。翌年も同じで、シャワーに加えて日よけの屋根も作りましたが、やはり透明な水にはなりませんでした。しかし、5年目の今年は水生植物が増え、シャワーを使わなくても水は透明です。水の循環がないので夏場にかけて状態は悪くなる可能性はありますが、ビオトープ池の完成に近づいています。今年は、ここで羽化するトンボがかなりいることを期待しています。鳥たちも待っていることでしょう。

児童たちのヤゴの救出のあいだ、水槽を清掃していただき、さらにメダカ池のドブさらいまでしていただいたお父さん方と榊原先生、大変お疲れ様でした。おかげさまで水槽も、メダカ池も見違えるほどきれいになりました。



佐藤さんご夫妻には今年もかわいい金魚の赤ちゃんをたくさん配布いただきました。ありがとうございました。


最後に田村前校長先生の雄姿です。釣り人ですね。


10年度 第3回ビオトープ活動
アルバム

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