シンプルで、素朴な柱頭飾りの植物は?
モンサンミッシェルの教会で見かけた柱頭は、何の植物だろう?建築学科に学ぶ大学生が、1年生の建築史の授業で最初にならうのは、西洋建築史。
「欧州の建築を理解するうえで最も重要な概念が「オーダー」。ギリシャ人によって生み出された一種の秩序概念。建築の最も基本的な構成部分を指す。(佐藤達夫氏)」
その柱の柱頭は、3種類。 ドリス式、イオニア式、コリント式。
[「日時連」という(一社)日本建築士事務所協会連合会の月間の会報、 本年2月号の特集「もう一度学びなおす西洋建築史(佐藤達夫氏)」という特集より] |
[2月号表紙] |
ギリシャが発祥だけれど、ギリシャ建築ではほとんど用いられることなく、後のローマのパンテオンがその代表。
柱頭を飾るのは、「アカンサス」という地中海沿岸原産のトゲのあるハアザミの葉をモチーフにしたもの。
幼い少女のお墓に備えられた供物の籠がモチーフとも…。
ここに紹介した写真は、モンサンミッシェルの教会内部で見かけた柱頭飾。
よく見かけるコリント式の柱頭とは、随分違い、素朴でシンプル。
そもそも教会と言っても中世の修道院だし、食堂のようなところの柱頭だから、、、。
彫刻しやすい石であっても豪華な総装飾的なものであるはずもなく…。
それでも植物の葉らしさがよくわかるデザイン。
確かに下の2つは、篭と言われるととても納得できる。
ギリシャ建築はもともとは木造の構成を石造に置き換えたものとの説があるけれど、確かにそんな風に見え…。
これは有名な、モンサンミッシェルの最高所にある庭園をめぐる回廊。
これは、柱頭飾りというのではなく、シンプルなデザイン。それにしても細い細い柱の列柱が美しく・・・。ちょっとイスラム建築を思わせ…。
モンサンミッシェル 近景。
同 遠景。
撮影地:フランス、モンサンミッシェル内部
撮影:2019年11月初旬
文章:小池常雄
撮影: 同
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