次の活動実施予告・実施済の報告


◎2024年度もつくし野ビオトーププロジェクトを実施します。
〇第2回定例活動は5月11日土と予告していましたが、サツマイモ苗入手の都合で5月19日日専用畑で実施に変更します。
〇 第1回特別活動は、5月5日日こどもの日午後実施します。

2022/11/20

驚きの カマキリ入水

   恐ろしき マインドコントロール   
いつもの定点撮影している新治の森の池。 
クサガメが日向ぼっこをしているのどかな光景。
ふとみるといつの間にか、カマキリが同じ枝の先に留まっている。
見ていると、すたすたと枝をたどって水の中に入っていく…。
そうこうするうちに、水深20~25㎝ほどだろうけれど、濁った水面越しでは見えなくなってしまった。
これはおそらくハリガネムシの寄生による行動。
この池では、この時期空中を飛んできて、池にポチャリと落ちるカマキリを何度も見ていた。
ある時、恐ろしいこの寄生虫により特殊なたんぱく質で脳を支配されたカマキリの行動と気が付いた。
昨年もほぼこの時期見られた行動。
しかし、小枝を伝って、すたすたと入水していく一部始終を見たのは初めての事。
カマキリは軽いので水面に浮くかと思ったら、枝にカギ爪を立てているためか?浮かばない。

でも、ほんとうに驚いたのは、これから先。
5分ほど見ていると…、ナニ!!
今度は、水中から枝を伝ってした小枝を上ってきたではないか!
昆虫は私たちのような肺呼吸ではなく、気管による呼吸。
「昆虫は肺を持たず、「気管」で酸素と二酸化炭素を直接交換して呼吸する。
気管はクチクラで裏打ちされたチューブ状の構造で、昆虫の体全体に張り巡らされ、体表面の開口部(気門)に通じている。」産総研のHPより引用
だから、直ちにおぼれてしまうようなことは無いはずだけれど…。
ひと風呂浴びただけのように平然としたカマキリは、普通にひなたぼっこして体温を上げている。

寄生していたハリガネムシの成体は、寄生主が水に入ってすぐに水中に離脱するというから、カマキリの体内にはもう、寄生虫はいないはず。
でも、5分ほど時間が経過して息が整う?と、また入水。
しばらくすると…また上陸。
さらにさらに、こんな 入水 ⇔ 上陸 をなんと5度ほど繰り返したのち、
いよいよ、クサガメと鉢合わせかと思ったら、巧みに枝の裏側に回り込み…。
うまくかわしたと思ったら、やはり何度も水中に入って体力が弱っていたためか、
ポチャリと水面に…。
バタバタするかと思いきや、もはやあまり動かない。
いつもはジタバタと、水面に波紋を広げると、
池面でエサを探していたカメが察知してパクリ…と食べられてしまうのだけれど、
プカリと浮いているだけなので、察知されずそのまま風に流されていく…。
ハリガネムシがカマキリに寄生していて体内で分泌する物質で、宿主はこの時期なると水(光る水面)に誘われ入水してしまう(成虫になったハリガネムシは宿主の脳にある種のタンパク質を注入し、宿主を操作して水に飛び込ませる(ウィキペディア)いわばマインドコントロールされ…)…というけれど、寄生した成体が離脱した後も、カマキリの脳にはその効果は残ってしまうものらしい。
そうこうするうちに、今度はカワセミが飛来。
カワセミ と カメ と カマキリ の3ショット
考えてみれば、3種のいきものとも「カ」で始まる名前。
この日のベストは次の場面か?
カワセミは小エビを捉えて食べるところ。
手前の水面にあわれなカマキリが浮かんでいる。
やはり瀕死のカマキリは軽く、水面に浮きながら風で流されていく…。

昨年10月に書いたブログは以下。
ハリガネムシの 「生態と生活史」については、
ハリガネムシが 「つくし野にいた!」は、
https://biotop-project.blogspot.com/2021/10/blog-post_27.html

池からの帰路、雑木林の小道で、ドングリを拾うかわいい女の子に遭遇。
つくづく、ヒトに寄生する種でなくて良かった…と思ったので、つい1枚。
文章:小池常雄
写真:   同
撮影地:新治市民の森
撮影日:20221027

1 件のコメント:

久保田 さんのコメント...

こんなにも詳細な観察素晴らしいのですね。最後に私の好きな鳥カワセミまで登場するとは自然がドラマを創っているかのように、小池さんの観察力に感服しました!