火の付け方をレクチャー
9月9日火曜日、連日の小川小へ出張環境学習。
この日は、8月末に完成しているピザ窯で、6年生がピザを焼くというので、火についてレクチャー。
【注】子供たちの自学自習にとって、以下の情報提供は邪魔になるとの声があり、いったん不掲載にしていましたが、3ヶ月が経過し、うまく焼けるようになったとの情報を保護者経由でありましたので再掲載します。
これらは8月末に既に一度火入れをしたピザ窯。
つくし野でも以前は、つくし野小校庭に160人が集まり、たき火で自分たちで作ったサツマイモを焼きイモにしたり、ピザをやいたり、竹で作るバームクーヘンをすくる活動をしていたのだけれど…。
あまりに保護者の火についての経験値が低く、子供たちへのナーバスな反応を見て、とても継続実施はできないと判断し、止めてしまった。
その後、近くのガーデンレストランで、収穫祭として焼き芋をさせていただいたことはあるけれど…
もう15年も前の記録、
2010年度12月の活動記録
私は静岡西部の田舎町で小学生まで育ち、自宅の風呂は五右衛門風呂だった。
ついては、小学生の頃、薪などによる風呂焚きは、私の仕事だった。
だから、火を燃やすことは今も好きで、自宅にある暖炉用の薪も沢山ストックしているし、
キャンプ用のたき火道具も各種を沢山持っている。
私が話したのは、
①火を扱えることの大切さ
最近は火が危険なものとして遠ざける傾向があるけれど、災害時の対応(冬季の採暖・調理)など、火の扱いの基本を知っておくと生きのびるのにとても貴重。
②火を育てるポイント
マッチ1本で大きな火にするには、小さな火をまずは燃えやすい紙や小枝に着火して、
次第に燃えにくい太い木に移しておくことが大切。
最初の火は、ホットスポットと呼ぶ中心部に集約して育てるとすぐに全体に燃え移る。
③料理に適したのは熾火(おきび)。直接の炎ではない
やかんでお湯を沸かすのでもなければ、直接の炎は温度が高すぎ、煙も多く、
調理には適さない。採暖時は別だけど。
熾火と呼ぶ、炭状の状態になったものが燃えている時は、煙が出ないで良い熱源になる。
この状態の熱源で、炉の上下左右を予熱:プレヒートしておいて、実際の調理の時は
炎を出している薪は引いてしまうのがコツ。
本式のイタリア料理などのピザ窯は大きな釜の床面で火を焚き、炎が出なくなってから、熾火を左右によけるなどして、中央部の十分に加熱・余熱された床面や周囲からの熱で焼き上げる。
太いもの、中くらいのもの細いものをれぞれバランスさせることが大切。
細いものをやたら突っ込むと、薪の隙間に空気が供給されず、煙ばかり出て不完全燃焼。
柄が焦げてしまった
でもこれではそのまま窯に入れられない。
打ち粉も下に打っておくべきだった。
あるいは、耐熱性のクッキングシートを紙パックの上に敷く方法も…
底は熱が通っていなかったのでは?
活動を通じて気がついたこと、アドバイスしたいこと
(全て私見ですが、火焚歴60年以上、地域での環境活動20年の経験に基づきます)
・実施日/時間/環境
⇒総合の授業枠の中なので仕方がないけれど、猛暑日に西日がよく当たる場所で
カマドでピザを焼くのはさすがにわたしも初めての経験。事故がなく良かった。
・火の起こし方
⇒なかなか最近は、大人も子供も実際の火を扱う場所もチャンスがない
⇒たき火にガスバーナーで手っ取り早く着火してしまうなんて言うのは…
何とも今風なのかもしれないけれど…。
アルコール系の着火剤で事故を起こすよりよほどいいけれど。
災害の時にも対応できる貴重な経験にすることができることを考えると、
せっかく理科の授業でマッチでの着火を習ったなら、
それを生かしてみるのも良かったのでは?
アルコールランプとたき火の撒きとは異なるし、、。
総合の授業なのだから、ピザを作る事だけが目的でなくてもいいはず。
・薪
⇒火を育て、維持し、調理に適した熾火(おきび)を保つにはいろいろな太さの材が必要。
支援者が廃材利用の木材を事前に細かく細かく割っていたのを見たけれ
これではあっという間に燃えてしまう。
細い薪は着火時に少量があればいい。
細い薪をたくさん突っ込むと、ついつい焚口で平行になり、空気の供給が減り
煙ばかり出ることに…
・火を維持、管理する道具
⇒立派な新品の道具がたくさん用意してあったけれど、私が2本を持参した
ゴミ拾い用の金属トングに似たものは1つしかなかった。
新品の上等なものだったけれど。
うまく薪を組合せ、火が付いた薪を調整し、空気の通り口を確保したりするには、
この種の道具は少なくも1基に1つは必須
⇒最後に灰をすくったりする道具もなかった。小型の平スコップでもいいけれど。
・ピザの焼き方
⇒ベースが柔らかくなってしまってうまく焼けなかったけれど、まあそれはそれ。
⇒ピザターナー/ピザシャベルに生のピザを移す時に、
事前に表側に打ち粉を振っておくと張り付くのが防げた。
木製取っ手にアルミホイルをまいておくと焦がさずに済んだ。
⇒更に、アルミホイル、クッキングシートをターナーの上に敷いて焼くと
形を維持しやすかった
⇒そもそもピザターナー/ピザシャベルに載せて焼くのが正しかったかは?
サッと生のピザをレンガの上に押し出して、ターナーは引くのが正しい使い方では?
⇒床面の温度がそんなに高くなく、裏側が生焼けの物が多かった。
上段の床をもっと温めてから焼くべきだった様に思う。
⇒事前のレクチャーでも話したけれど、料理に使うのは熾火。
同じ直接の火でも炎では温度が高すぎる。
耐火煉瓦の釜は、炎の熱を一度レンガに移し、その輻射熱で調理する方法では?
・ピザ窯
⇒義務教育の学校で、この種の活動に使える公的予算がない中で
独自の動きで新品のレンガでできた釜は素晴らしい。
これは助成による予算が獲得できたから実現できたもの。
でもレンガは不用品をx地域から事前にもらってきたものだけで数基は十分できた。
⇒災害時など、どのような時でも生き延びる力を養うには、
身の回りにあるものを工夫する知恵を働かせる経験を得る事では?
何かミッションがあったら、まずは身に周りをぐるりと見回すことから私は始める。
⇒釜の後ろから炎が吹き出す方式で、明るい昼間は炎が見えない。
吹き出している炎が少々スリリング。
低学年の利用時など、後ろに回り込ませない注意・防護が必要かと。
・残り火の処理
⇒意外かもしれないけれど、燃えかす、灰の後始末に水を使う事はとても疑問。
窯が熱いからと言って水を掛ければ、ヘタをすれば爆裂したりする。
屋外で十分なスペースがあるのだから、そのまま熾火が灰になるまで
燃やしてしまうのがベスト。
灰になれば、循環する物質になるけれど、炭は循環しない。
私が時間がないときに、次善の策としてやるのは火消壺方式。
子どもの頃の風呂焚きの時はこの方法だった。
昔は陶器製だったけれど、いまはせんべいなどが入っていた金属缶がいい。
時間を置いて、冷ましてから処理しやすい。(灰は肥料になる、炭は再利用)
最後の担任の先生のお話しの様子。
「今回の反省をいかして、売れるピザにしたい!」と!!
それにしても校長先生の子供たちに豊かな経験・体験をさせたい…という願いがこの活動のベースにある。
独自予算(民間財団の全国対象の活動助成公募)獲得から始まり、副校長と校長でピザ窯づくりの講習会に行き、実施に当たっては近隣の人やPTAまでたくさんの人の支援を受け、片付けなど子供たちを返した後、担任の先生も大変な作業をし、
73人の児童がこんなに熱く!おいしい!!経験をさせてもらえるなんてなかなか無い事では?
子ども達は上げ膳、下げ膳の対応が多かった活動だけれど、どういう背景の動きがあって実現しているのか?も、是非子供たちには理解してほしい。
児童:6年生73名/3学級
先生:担任3名+校長・副校長:5名
支援者・PTA・委託カメラマン氏・小池:約13名
参加者の総合計:91名
〈おまけ:小川小にプレゼント〉
こんな自宅にあった道具を小川小にプレゼント
どちらも40cmほどの道具。
ゴミ拾いのトングは是非予算で買ってね!

文章:小池常雄
写真: 同
撮影日:20250909
撮影場所:小川小校庭
編集:小池
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