大人になるのは大変な事
このアカトンボ、2022年5月28日つくし野小学校のプールから救出され、我が家の玄関先のミニビオトープに放された個体。
まだ息はあり、ばたばたしているけれど、こうなってはちゃんとした姿に回復することはできない。
せっかくここまで育ったのだけれど、自由に空を飛び回るトンボらしい時間は得られなかった。
幼虫が掴まっているのはガマの茎。
羽化には、水中から出て茎のようなすべりにくく体を支えるものが必要。
プールの壁はつるつるで羽化できない。
プールのヤゴの救出では、活動の最後に小枝を切って3本ゴムでまとめたものをプレゼントしたけれど、この写真のガマの代わりを果たす役割。
鉄鋼マンさんに写真(上記)とお便りをいただきました。
「今朝(8月1日)庭に水撒きに出たところ、
「今朝(8月1日)庭に水撒きに出たところ、
(自宅の)門に止まっている不思議な(アブラゼミ)の姿を見つけました。
見たところ脱け殻もなく、
こんなところまでどうやってたどり着いたのだろうと思いました。
起きてきた娘を呼んで見せると、娘が門の下に落ちていた脱け殻を発見しました。
そうか、ここで羽化したんだ、と思いましたが、
それにしても、なぜこんな形になっちゃたんだろう。
空を飛ぶこともできないだろうし…。」
ヒトは、
社会的・教育的・経済的に大人になるのはなかなか大変だけれど、昆虫のように肉体的に大人になれないということは(病気や事故を除けば)まあ、あまりない。
けれど、昆虫は…
それぞれの成長段階でいくつも大きな難関を経なくてはならない。
不完全変態のバッタよりも、完全変態のカブトムシなど、最後の成虫になるときに失敗している例を数多く見る。
セミが失敗した上の写真の例は見たことがなかった。
トンボは水中でヤゴとして10回程脱皮をするけれど、その最後に水中生活から空中に飛び立つ羽化が最も難関ではないか?
この段階で、失敗する姿を毎年よく見る。
成虫(おとな)になるのは、なかなか大変な事。
我々の命も含め、すべての命は奇跡の結果。
文章:鉄鋼マンさん、小池常雄
写真:鉄鋼マンさん、小池常雄
ブログ編集:小池常雄
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