前週に続き、3度目の出張授業
でも、体を動かす前に、何のために、何をするべきか?できなければどういう方法で、誰に支援を求めるか?などを考えた方が良い…とアドバイスしたのだけれど…。
みんなは、感じたら剛速球・まっしぐら!!
どうも、私が心配していることが、ピンときていないのでは?と思い至り。
教室に行くと、F先生が前週私からお話しした、プロジェクトマネジメントの手法での今回の計画の整理するの考え方を、1週間の間にこんなにきれいに整理してくださっていて、感激!
[こんなにきれいに、わかりやすくまとめてくださった♥] |
思い起こしてみると、初回は「つくし野ビオトーププロジェクトの内容と4年前に恩田小で何をやったのか?」を話してほしい…との事だったので、おやじの会・保護者のS氏とお邪魔した。
色々な経緯を経て、「つくし野ビオトーププロジェクト」はつくし野小学校内のビオトープ整備を目的とする活動ではなくなっている。
でも、そもそも「ビオトープとは何か?」…ということについては、私がお邪魔する前、子どもたちが自主的に調べていたようで…。
ついては、受験ではとても難しかった(一級建築士は2年を要したけれど、こっちは制覇するまでに4年間を要した)1級ビオトープ管理士(計画・施工)の2つの資格を(2級計画を含めると3つ)持っている私としては、
このタイミングでは前後してしまったけれど、「そもそもビオトープとは、何か?」…ということを、話しておいた方がいいのでは?と、思うに至ったから…。
説明には、日本のビオトープに関わる理論・実践などの総本山ともいうべき㈶日本生態系協会が以前、公開していた漫画を用いた、わかりやすい絵本の資料を活用。
説明は大型映像装置で表示しながら行ったけれど、別にA3にプリントして、パウチしたものを作ってあったので、後から児童が振り返りやすいようにお貸しし掲示してくださっている。
BioTopの語源、多種多様なビオトープがある事、学校ビオトープが有名になったけれど、砂漠にも、河原にもそれぞれのビオトープがある事。
生きものは食べたり食べられたりして、食物連鎖していること。
ぐるぐる回って連なっている関係がとても大切な事。
食物連鎖を3角形で表した食物ピラミッドの図の事。
昔、住宅地として開発される前のこの地区の姿は、こどもの国や寺家ふるさと村で今も見られる姿に近いものだったろうこと。
住宅地になったせいで、そもそもそこにあった環境は壊され、そこにいた生き物たちは棲む場所を追われてしまったこと…などなど。
これは、F先生が、私がお話ししたことのポイントをうまく板書してくださったもの…
時間の後半は、F先生が、子どもたちに考えの発言を促し…。
私は出た意見を、紙片に書いて、張り付けて整理する役割を担うことに…。
その結果できたのはこんな感じ。
張り付けてあるトンボや魚の写真は、前週、恩田池で私が写し、プリントしたもの。
2コマ連続+長休み時間まで合計1時間45分という長い時間だったけれど、
皆熱心に聞いてくれた。
数日後、小学校は、夏休みに突入!
これからどうするか?…は、夏休み明けかな??
子どもたちから、また声をかけていただけることを心待ちにしていますよ!
〈おまけ:恩田小でやってはどうか?…と思う提案〉
恩田の森・恩田池を改めて考えてみると…
【良いと思うところ】
①40年前の開校時に作られたにもかかわらず、
校門の横のいい場所にこれだけのスペースが確保されている。
(でも、そもそも学校ビオトープの考えで作られてはいない。)
②人工動力だけれど流れが再現してある。
(商用電源で駆動。再生可能エネルギー利用ではない。)
③ヌマエビ、オオカナダモなどが環境に適応して、繁殖している。
(生物多様性が実現しているか?は不明。)
④4年前に改修したガマなどが、繁茂しないようにコントロールされており、
池の隅には少しだけエコトーンができている。
【問題があると感じるところ】
①池と川は閉鎖水系(流れ出るのがオーバーフローのみ)故に、
次第に水中の有機物が増えている。
(有機物が増えるといずれ腐敗し、水質悪化する。6年分が蓄積している。)
②植栽が、開校時40年前(昭和62年4月1日開校)の考えで選択されており、
植物園的な選択がされ、雑木林のような在来植物で構成されていない。
③小川の部分や池の底面がコンクリート護岸。岸も石で護岸され、エコトーンが少ない。
④植物に種名を示す札がなく、学習できない。
⑤草原性植生であるススキが主に周辺部に侵入・繁茂し中を見通せず
入りにくくなっている。
⑥使われていないコンクリート製プランターが周辺に放置?され、観察を妨げている。
⑦とげのある木が通路にかかり、痛く、危険でもある。
⑧生き物たちが暮らす場所であるという掲示や住んでいる生物の紹介が少なく、
石やコンクリートガラが池に放り込んであった。
F先生のお考えを踏まえ、これからやってみては?という活動を整理すると…
①生き物の調査と発表
-恩田池と周辺に生息する生き物(植物・魚類・昆虫・エビ類・水草(水中・抽水))
を調査する。(イケのカイボリの間、避難させている時に同時実施。)
-調査結果を全校に知らせ、生き物が暮らしている場所として大切にしてほしいので
石やゴミなどを投げ入れないように注意を促すポスターを掲示する。
木には名札を付け、観察しやすいようにする。
-調査結果を、写真や実物を校内に展示・発表する。
②池のカイボリ+清掃
-前回6年前から池底に蓄積している有機質(泥)や土・砂を減らし、腐敗を防ぐ。
(カイボリは卵や幼虫も排出するリスクがあるので、方法に注意する。
カイボリ自体が目的化してはいけない。これ自体は必須でない。)
-繁茂しすぎた水草を1/3~1/2に減らして、池の中の環境を多様にし、
エコトーンをつくり、生物多様性を増す工夫をする。
-魚類が動けるスペースを増やし、魚の隠れ場所を作る工夫の検討する。
(クロメダカなど、近傍の水場から移入してもよいかもしれない…)
③森の部分の植栽の整理
-観察しやすいよう、繁茂しすぎた樹木・草本を減らす。(枝打ち・草刈り)
-森の外延部に優勢になっているススキ・ドクダミを極力減らす。(伐根は無理?)
-本当は園芸種を減らし、在来種(近傍の雑木林の植生のような)を増やしたいけれど、
横浜市の許可がいる?
④森と池の生物多様性を増やす仕掛けを工夫して作る
-除去した枝葉・水草をスタック(蓄積)し堆肥化する場所を作り、昆虫等に提供する
-クヌギなどの枯れ枝、伐採木・枝でエコスタックを作り昆虫などを呼ぶ
【エコスタック:枝や草を積み上げ、昆虫や小動物を呼ぶ仕掛け】
-校庭に転がっている石やコンクリートガラを1カ所に積み上げ、トカゲの住処とする。
-切り取られたシノダケ(篠竹)を30cmほどに切り、束にしたものを吊るし、
穴にアオムシを詰めて子供を育てる種類の昆虫(人間には無害)を呼ぶ仕掛けを作る。
-巣箱を適切な位置・方法で取付け、ヤマガラ・シジュウカラを呼ぶ。
-他にも生物多様性を増す、生き物たちに選んでもらえる場所にする方法はないか…と、
皆で考えて実行する。
文章:小池常雄
写真:F先生、小池
撮影日:20230720
ブログ編集:小池
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