PM手法で整備推進を提案したけれど…
[この写真はリサイズしてあります。] |
2023年6月26日から2週後、7月12日水、再度、お声がけを頂き4年3組の第1・2校時の総合の授業へ、2度目の環境学習の出張授業に行って来ました。
以下の2枚は、先週の作業の様子。
つくし野ビオトーププロジェクトの歴史と現在の活動内容など。
恩田小に関しては、やったこととその後どうなったか…、おやじの会のSさんの同席を頂いて、その後の問題と支援する用意がある…との表明を頂いて。。。
子供たちには、「これから先、何を目標とし、それを実現するためにどうしたかいいか?をまず整理してほしい…」とお願いしたつもりだったのだけれど…。(下は前回のs写真)
しかし、子どもたちにはどうもこれはうまく伝わらなかったかな?ともかく早く自分たちの手を動かして、池の周りの草刈りがしたかったようで…。
ここでF先生が、教室の常設ディスプレイで見せてくださったのは、1週間前の総合の授業での作業の様子。
確かに、この4年間、コロナもあり手が入らず、水路部分にドクダミなどが入り込み、根をはり、泥ができて溜まり、それが層状になり、根が立体的に絡まったマット状になって流れを阻害している。
今回は少し視点を変え、4年前に一緒に改修作業をした当時の5年生ASさんにゲストとして来てもらい、当時の事やその後の問題など考えることを話してもらうことに…。
彼女は、現在都内の私立女子中高一貫校の中3生。
以前、つくし野ビオトーププロジェクトに参加して、生き物好きになったことが発展して、蚕の飼育で研究をし、サイエンスキャッスルという中高生対象の研究発表でパネル発表をした様子は、昨年の12月17日のこのブログでも紹介した通り…。
たまたま、もう夏休みに入っていて、同行可能ということで一緒に来てもらった。
卒業した中3生が、母校を久しぶりに訪ねて、お話をする…なんてことはなかなか実現しないことと思い、彼女にも在校生にもいいことではないか?と考えたまで…。
事前に、話すことをメモしてきてくれたのだけれど、何せ、恥じらい多きお年頃。
声が小さくて、聞こえない…。
そこはさすがF先生、さっと彼女の話を板書してくださった。
[名前の部分は一部後処理してあります] |
生きものが苦手だった彼女が、わずかなきっかけで今ではすっかり生き物好きになり、レベルが高いカイコの研究をして発表している…。
S家では、自宅でいろいろな生き物を飼い…。
4年前、5年生のときに改修した恩田池が、元のようになってほしい…ということかと。
「ヤダ! こいけさんったら…!」というような、中三女子の目線が、痛い!!以前仕事でたくさん経験した「プロジェクトマネジメントの3要素」の事。
私が、社会人としてビルなどの施設実現の仕事の中で、繰り返し対応してきたこと。
小学校4年生には少しむつかしいので、かみ砕いて、今回の計画が上手くいくように、少し要素を整理しては??という思いから提案。
F先生は、素晴らしいお考えをお持ちで「子供たちには失敗を恐れず、失敗の中から学んでほしい!」…とおっしゃる。
実社会では、失敗も遠回りも許されない。
沢山経験した建築などの施工現場では、計画のミスは直ちに作業員の命にかかわることもある。
経済的にも数百億円の損失にもつながりかねない。
私がたくさん経験した仕事は、少しでもミスなく、ロスなく、レベル高い建築物を、安全に実現させることだったから、失敗は許されないことばかり。
最近のTVや新聞報道でも社会で起きているこの実例(事故やミス)が数多く報道されている。
失敗があたたかい目で見てもらえ、許されるのは、学生のうちだけだからね…。
でも、私としてはなるべく失敗が少ないのが、小学生でもいいのでは?…と思う。
成功体験を得られるのも、成長にとっての大切な栄養になる。
ついては「プロジェクトマネジメントの鉄の3要素」つまり、コスト・スコープ・時間 の3要素をバランスさせて品質の実現につなげるというお話をしたかった。
こんな資料を作りながら、説明を…、
①名称
3要素の前にまずは何をやるか?全校に伝わりやすい名称(プロジェクト名)を付けては?
と提案。
今は「恩田ビオトープSHINKAプロジェクト~ハッピース✌」…というのがプロジェクト名だけれど、低学年の子にはローマ字は読めないし…。
たぶん「恩田ビオトープを自分たちの手で再生し、進化させて全校が幸せになるぞ!やったぜ!」…という意味では?
恩田小全校児童の物であるはずのものに4年3組だけが手を加えるのだから、他の全校児童たちにも共有(1年生でも文字だけでわかり、知らない人が読んだだけで理解)できる名前に修正しては?
②成果(0/3)
プロジェクト管理三要素の三角形の中央に位置するのは、普通は実現するプロジェクトの「品質」。
でも今回はここは品質を「成果」と読み替えてみては?
4年3組の今年の総合学習の70時間を費やして、学び・行動したことが、恩田ビオトープをよくする(観察しやすく、より多くのいきものがいる生物多様性に富んだ場所になる事?)が成果かな?
③お金(コスト)(1/3)
実社会のプロジェクトは、それを実現するのはお金、予算があるのは必須。
行政の仕事でも民間の仕事でも、同じ。
でも今回は、小学校の学級の計画だから、まあ直接的なお金はかからない。
代わりに必要となるのは、恩田ビオトープを改修する「労力」かな?
クラスの皆で作業するだけで終われば、いいけれど、私や、おやじの会の人たちの手を借りた方が、もっと大規模に改修できる。
前回のカイボリから6年経過しているから、カイボリしてもいいかも?
おやじの会だけでなく、ご両親やおじいちゃん・おばあちゃんの手を借りる方法もいいと思う。
大人たちは、子どもたち子供たちの健やかな成長を願っている人ばかり。
みなから「助けてほしい!」と言われれば、絶対に「いや」とは言わない…と思う。
またどうしてもお金がかかる資材が必要になった時は、校長先生にお願いするかな?
④時間(2/3)
実際の社会での仕事は、契約書というものを最初に結ぶから、それで時間を管理しなくてはならない。
今回は4年生の総合の授業70時間のうち、残されたのは58時間とか…。
これを、来年の3月末までうまく使って、成果を上げなくてはならない。
黒板に簡単に書いて示したのは、1年間のどのタイミングにどういうことをするのがいいのか?ということ。
学校は、夏休みもあるし、年末年始もある。作業するのにはその作業内容によって適した季節がある。
6年前におやじの会が一番寒いクリスマスの日に、カイボリをしてくれた…なんていうのは例外!!
(ドブのにおいにまみれたお父さんたちは、クリスマスの日の夕方、家族に鼻を摘ままれながら、すぐにお風呂に入ったに違いない!!!(涙))
仕事を持っているお父さんやお母さんは、手伝ってほしい…と急に言われても手伝えないし、曜日にもよるしね…。
⑤目標(スコープ)(3/3)
専門的には、スコープとか言われるけれど、ここでは「目標」と言い換えてもいいのでは?
「何をどうしたいのか?」「どこをどうかえたいのか?」…というようなこと。
⑥情報管理・広報(おまけ)
プロジェクト管理の三角形の外側なのだけれど、私がいつも重視していたのはこれ。
実際の仕事だと、秘匿(ないしょに)すべき情報の管理なども含まれるけれど、建物が竣工したことを雑誌などに発表することも含まれていた。
今回は、小学校の中の計画だけれど、「全校児童や保護者の皆さんに、どんな目的で、どんなことをして、どんなに変わったのか?を知ってもらったり、見てもらうこと」は、とても大切なことでは?
私が4年前に建てた、何をやったか?のパウチで保護した掲示はまだ草に埋もれながら残ってるけれど、今回は、皆で壁新聞で紹介してもいい…と思う。
また、前回の失敗・課題?を踏まえ、是非「これから先、次の世代にどう、この環境を維持・管理していくか?」…も考えてほしい。
…なんていうことを、なるべく4年生にもわかりやすいように話したつもりだけれど、うまく伝わったかな?
…と面倒な話を聞いた後、皆はもすっかり外に出て、実際に手を動かしたくなっており。長靴や軍手などこの日もこの日も用意している子が多く。
それで、休み時間と中止になった音楽の時間を草取りなどに費やすことになり。
この日も大変な高温に…。だから、ススキなどの伸びた草は、手で引っこ抜く程度の事しかできず。
とげのある木が気になる場所に伸びていたりしたけれど、私もこの日は作業する考えではなかったので、ハサミやノコギリは持参しておらず…。
この日、恩田池を観察してみると、上流で泥を攪拌したのに、池への流れ込み部分の水草が上手くフィルターの役割を果たして、全体が濁ることはなく。
池の縁の水中の岩をみると、たくさんのヌマエビ?などが、岩についた水草を食べている??
こんな魚も、悠々と泳いでいる。
最後に、桂の木の下の木陰で、まとめのお話し。
この場所に机を出し、池にいる生き物などを水槽に入れ水族館として館として全校の皆に見せるのも楽しいね…なんていう話を…。
再度!!
4年3組の皆で話し合い、私でもおやじの会でも何か助けてあげられることができたら、連絡してくれることを待っていますよ!!
〈おまけ:再度のご提案〉
子供たちには、何をしたらいいのか整理することをしたうえで、実際の作業したほうが良い…と考えたので、上述のようなPMの手法を援用した整理方法を提案したのですがどうも、まだうまく伝わらなかったかな?
でも考えなおしてみると、
そもそも初回のF先生からのお話しの要請は
「つくし野ビオトーププロジェクトとこれまでの恩田小とのかかわりについて話してほしい」…ということでした。
ついては、前提となるビオトープにの概念などは説明やお話しはしませんでした。
そもそもビオトープとは?などの理解がまだ十分できていないのでは?という気が、子どもたちの行動や作文などを読ませていただいて感じました。
ついては、改めて以下のような問いかけをします。
① ビオトープとはどいうものか?
② 一般のビオトープと学校ビオトープの違いは何か?
③ 恩田小の施設は学校ビオトープか?
④ ビオトープとして、生物多様性が豊かなものになるには何か問題はあるか?
⑤ 問題があるとすれば、何が多すぎるか?
⑥ 同 、何が足りていないか?
⑦ 多すぎるものを除去し、足りていないものをどうやって補えばいいか?
⑧ 生物多様性に富んだ環境をこれから先、維持していくにはどうしたらいいか?
とりあえず、この8つの設問に答えてくれれば、基本的な理解はできたということになるのでは?
引き続きできる支援は惜しみません。
念のため!
〈おまけ:恩田池の上をパトロールしていたのは?〉
シオカラトンボのオスが、恩田池の上を旋回し、ちょいと一休み。
パートナーになってほしいメスが来るのを待って、ナワバリ確保かな?
強い日差しを浴び、青色が綺麗。
メスは、ムギワラトンボとも呼ばれる黄色だけれど、新緑にはオスの青が良く映える。
文章:小池常雄
写真:F先生、小池
(ASさんの写真、所属などは保護者のお考えに沿った表記方法としています)
撮影場所:横浜市立恩田小校内
撮影日:20230712
ブログ編集:小池常雄
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