ケール(キャベツの原種)の仲間たち
「生物多様性が、いかにに私たちの生活を豊かにしてくれているか!」…なんて活動の中でよくお話ししているけれど、アブラナ科の植物の多様さは驚くばかり。
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葉っぱだけ見ると、トンカツに千切りが添えてあるキャベツの親戚なんて信じられない。
葉牡丹の従来イメージのクリーム系やピンク系のものと違い、ブラック系、ケール系と呼ぶのだそうな。
花が貴重な冬、お正月の床の間の活花に菊と混ぜて活けてあるイメージが強かったけれど、最近はそうではないようで…。
最近の花の流行に合わせ、正月にこだわらず使われるらしく。
このブラック系でも艶のあるもの、逆に艶無しのメタリックカラーのシルバー系、葉の形が従来の丸葉やちりめんの葉型ではないケール系の多彩なものがあるのだそうで…。ケールは今も野菜ジュースなどに入れるように、スーパーの片隅に少しだけ置かれている。
葉だけ見ると、ブロッコリーの葉にそっくり。
ブロッコリーの葉っぱは、ヒヨドリがよく食べるところを見ると、おいしいのかも?と思いつつ、自分では試していない…。
これは、最近多く出回っている小型のハボタン(葉牡丹)
畑のキャベツ収穫の時の教材用に「生物多様性説明寄せ植え」を制作。
ホームセンター(スーパービバホーム)に行くと、もっといろいろな種類を売っていて…。
昔の葉牡丹は今の小ぶりのキャベツくらいの大きさだったと記憶しているけれど、今やこんな小さな種類も売っている。畑には、この時期、ケールを原種とするキャベツなどの親戚がたくさん生育中。
「茎ブロッコリー」はいい感じ。
「キャベツ」は、もう1/3くらいは、収穫してもよさそう。これは「芽キャベツ」。
まだ、根元の茎に小さく丸い芽が付く特徴は出ていないけれど…。
この作物独特の世話として、葉を下から次々摘み取って細長く育てていかないと、芽キャベツが付く茎が伸びないので、収穫できない。
小さい作物なのに、スーパーではとても高い(5~6個入って300円弱?)理由も、自分で育ててみて意外に栽培に手間がかかることから納得。
これは、「カリフラワー」の仲間の「カリフローレ」。
「茎ブロッコリー」は最初のネーミングが「ブロッコリーナ」と命名して、売れなかったけれど、「カリフローレ」は成功し…。
「カリフローレ」は「カリフラワー」同様に繊細な作物。
この時期、寒さにあたると先が焼けて茶色くなってしまう。
だから園芸の指南書には、「花蕾近くの葉を内側に折り、花蕾を覆え」…とある。
やってみるとちょいと恥ずかしがって、葉で顔を隠しているようにも見えてしまい…。
これは普通の「カリフラワー」。
まだ小さいから、中央の葉をむいて覗かないと見えない。
これは普通の白色タイプだけれど、黄色も紫色も、不思議な形をしたロマネスコ…なんて種類もある。
数年前に栽培したけれど、数少なく、参加者にあげてしまって、私は口にできず。
中村さんの畑の「ブロッコリー」。
今年は例年に増して立派。
これは、畑の「茎ブロッコリー」の頂花蕾。 そろそろ摘蕾せねば…。
畑の「ハクサイ」は、花が咲くと黄色い十字花のアブラナ科で同じ仲間とわかるけれど遠縁。
「ケール」が原種ではなく。
《新年ご挨拶》
2021年、新年おめでとうございます。
「葉牡丹」の親戚ご紹介がお正月にふさわしいネタだったかどうか、わかりませんが…。
「3つの生物多様性:遺伝子・種・環境」の中の「遺伝子の多様性」として、「ケール」という原種に秘められている(発現していない)隠れた能力を、様々に引き出されて作られた多多様な作物が、私たちの生活を豊かにし、潤してくれていることがよく理解できます。
また、姿・形だけでなく、私たちの生活の変化で、栽培されるハクサイやキャベツが小さくなり、巨大なブロッコリーから小さな茎ブロッコリーが好まれるようになり、葉牡丹さえ子供のころの大きなものから最新のとても小さなものに変化している、いや変化させて栽培されていることを改めて認識することもできます。
本年もまた、環境NPO「つくし野ビオトーププロジェクト」の定例と特別の活動案内、それらの活動報告、メディアでの紹介の転載紹介などをメインとしつつ、身近な様々な動植物昆虫といった生き物やそれらを育む環境、生物多様性、SDGs、地球温暖化…といった、私たちの生活や未来に大きく影響を及ぼしつつある話題のご紹介に努めてまいります。
引き続き、ご理解・ご支援を賜れれば幸いです。
本年もまた良い年になりますよう、願っています。
文章:小池常雄
写真: 同
ブログ編集:同
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