次の活動実施予告・実施済の報告


〇第8回定例活動は日程変更し、11月17日日実施済です。
〇第5回特別活動は、10月27日日実施済みです。次回は未定です。

2021/12/22

どうして、命を落としてしまったのか?(その2)

    若いメスイノシシの頭骨    
5月15日土曜日の活動の中で、3つ目のサプライズで紹介した、イノシシの頭骨。
この写真は高見顧問が、屋外現地調査のお仕事で、上越山中で見つけた時の状況。
周りを探したけれど、頭骨以外の他の部分は周辺には見つからず、これだけが残されていたとの事。
頭骨にはすでにニオイはなく、肉の部分はほぼ分解されていたから、この個体が命を落としてからどれほどの時間が経過したものだろう?
高見顧問の分析によれば、
「そもそも頭骨(とうこつ)としては大きくなく、仮にオスであれば牙(きば)がもっと大きく鋭くなっているはず。
奥歯などもすり減ってはおらず若い…ので、『メスの若い個体』だろう」とのこと。

体のほかの部分が近くに見つからなかったことから、何らかの原因で命を落としてから、他の動物によって、離れた場所に運ばれ、いろいろないきものが命をつなぐ食べ物として使われたのだろうか…。

日本の生態系では、哺乳類では食物ピラミッドの頂点を占めていたニホンオオカミが絶滅してしまっているから、彼らを捕食するのはヒトくらいのもの。
猟で捕らえたイノシシの頭部だけ切り離して、他の部位を持ち帰ることはあまりしないと思うし…。

いろいろな想像が、めぐる。

いつも活動の中でお話ししているけれど、
地球は巨大な巨大な真っ暗な虚空の宇宙空間にぽっかりと浮かぶ、
青と緑で彩られた宇宙船のようなもの。

この宇宙船に乗り合わせた生き物たちすべてで、生態系というシステムをなし、
バランスをとって生きている。
だから、我々ヒトも、イノシシもミミズもアリンコもみな同じ宇宙船の乗組員。
つまり、運命共同体の仲間ということ。

プラスチックで海が汚染される海洋プラスチックのお話もしたけれど、
1つしかない地球を汚すと、巡り巡って自分たちに還ってくることは、地球温暖化など環境問題にすべて共通すること。

若くして死んだイノシシのメスの頭骨を見て、宇宙船地球号の進路に思いが飛び…。

《おまけ:究極のイクメン》
ここで紹介するのは、「コオイムシ」
高見顧問がお仕事で、上越の山間地で見つけたもの。
かなり環境が守られた場所でないと、もはや見られない生きもの。
コオイムシは、究極のイクメンともいうべき生態で有名。
つまり、コオイムシのメスは産卵の時に、パートナーのオスの背中に数十個の卵を産み付ける。
オスは卵が孵化するまで飛ぶことができなくなり、卵を守って水中で過ごす…というもの。
数日すると、背中の卵は孵化し、幼虫が出てしまうと卵の殻は背中から落ちて、底に落ちて溜まっている。
それにしても、オスの目からは自分の背中は見えないので、どうやって孵化が終わったことを知るのだろう?…というのは、高見顧問のつぶやき。
つくし野に連れ帰って放すと遺伝子的にかく乱してしまうし、そもそもつくし野周辺では繁殖する環境はないので、観察した後、現地でリリースしたとのこと。
ちなみにコオイムシは、肉食。
飼うには生きたメダカやオタマジャクシが必要。
なかなかにグルメ。
写真:高見、小池
文章:小池常雄
採取地:上越山中(高見)
採取日:2021年5月10日(イノシシ)
/同年5月19日(コオイムシ)
ブログ編集:小池

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