ちょん切られても再生する 不思議な生き物!
[U字型に体を曲げた上のほうが頭。小さな目が2つ見える。] |
こどもの国のハス池の最上流部、谷戸を修景してある人工池の湧水部。
ここにいた不思議な生き物は?
上の写真の環境で9月19日の定例活動を実施したのですが、下見(8月23日に実施)の際、船崎さんが、ごろっとした大きい石を裏返してみると…。
2cmほどの大きさの原生動物。
三角頭で目は小さいけれど白目・黒目のようで、それが「より目」に見え、意外にかわいい顔。(笑)
ミミズは、目がないので目が見えない、「目みえず」…が語源というけれど、人気はない。
プラナリアは、愛嬌がある顔で、目もあるから、人気はあるのかな?
かわいい顔をしていても、水中の昆虫やイトミミズなどを食べるれっきとした肉食。
(大量につかまえる場合は、豚や鶏のレバーで呼び集めるらしく…)
小さいけれど、脳を持つ生き物としては最も原始的。
口は、頭から離れた胴体の真ん中あたりにあり。
口はあっても、肛門はない! …っていうことは …ゲゲゲ…。
食べた口からウンチを出す!?
とりあえずオスメスはなく、1つの体に両方備わっている雌雄同体。
卵も産むけれど、成熟するとおなかの下あたりが自然にくびれ、2匹に分裂するとか…
(環境によって、性が分かれ、交接して卵を産み、世代交代。)
(卵は少ないので、分裂によって増えるほうが、効率的とか…。)
この生き物がとても有名なのは、体を切られてもそれぞれがちゃんと元の姿に再生する能力を持っていること。
(ある研究で、200以上に切られてもそれぞれに再生した記録があるとか…)
からだの中で、目と口の部分以外は全能性幹細胞、別のものに変化できる万能細胞!
(人間の万能細胞は山中先生が研究したiPS細胞があるけれど…)
つまり、ちょん切られても、頭にはしっぽが生え、しっぽには頭が生える!!
実は、私は中学か高校のころ、自宅の机の上でこの生き物を飼っていた時期があり。
大きな水槽はいらないし、ぶくぶくもいらない。
ゆで卵の黄身の部分をエサに与えていたように覚えている。
体を切り刻まれても再生するなんて、不死身?なんて思うかもしれないけれど、
野生(自然界)では、1か月程度の寿命という報告もあり。
とても再生能力が高いので、どんどん分裂していけば、環境次第では不死身ともいえるそうで?
普通の生き物は、体の細胞は分裂できる回数に制限があるはずだから、有性生殖か、細胞融合でもして、細胞をリセットしないと、不死身はないはずで…。
(ヒトのiPS細胞も、癌化しやすい問題を乗り越えるのがむつかしいらしい…)
切断実験の時、不用意に傷つけると、傷口から出た自分の消化液で、自分自身が溶けて死んでしまうとか…。
だから、切断・再生実験をするときは、しばらく絶食させてから行うのだそうで。。。
この絵は、私が描いたイラスト。
特別な切り方をすると、頭が2つや3つや4つ持つ個体に再生をさせることもできるとか…。
きれいな水質で、かついつも25度以下に保たれていないと生きていけない繊細さ!
仮に25度以上の水温になると、体が溶けて死んでしまうとか…!
ひんやりした水がわいているところでしか棲めない!
それにしても、半分になったら、それそれの自分はどんな感じなのだろう?
聞いてみたい気がする…。
ペットショップでも売っているそう。
あそこに生息していることがわかったから、飼ってみる??
文章:小池常雄
写真: 同
撮影日:20200823
撮影場所:こどもの国
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