次の活動実施予告・実施済の報告


〇第8回定例活動は日程変更し、11月17日日実施済です。
〇第5回特別活動は、10月27日日実施済みです。次回は未定です。

2020/09/17

キアゲハの羽化

 アシタバを食べて育った キアゲハ 
鉄鋼マンさんより、キアゲハをめぐる顛末と写真をお送りいただきました。

★9月1日にいただいたメール

「お向かいのYさんちの(庭で育てていた)アシタバ(明日葉)に、大量の幼虫が群がっており それを処分しようとしていたそうです。

Yさんちのおばさんが 『どうせ捨てちゃうからいる?』 と娘に聞いてくださったのだそうですが、
娘は当然のことながら 『いる!』 と答えたそうです。


(幼虫がついている)アシタバ(明日葉)ごといただいたそうですが、
ざっと10匹群がっており、食い尽くされるのも時間の問題です。


これだけ(すでに成長して終齢のようで)大きいので、さっさと蛹になってくれると良いのですが。

アシタバ(明日葉)食ってここまで育った幼虫に、ここからパセリを食べなさい、と言うのも酷なので、
Yさんに『アシタバ(明日葉)下さい』と言うのが一番なんじゃないの、
と家内には言いましたが、
それが嫌だから切り取っちゃったわけなのでねえ・・・・。


差し当たり、パセリとかセロリとか一般的なキアゲハの(セリ科の)食草を買ってきて、
洗って与えてあげたら、と言っておきましたが・・・。


うちのプランターのパセリも枯れそうですし・・・。悩ましい限りです。」


★9月12日にいただいたメール

「お向かいのYさんから、娘が頂いた11匹のキアゲハの幼虫、結局、蛹になれたのは、1匹だけでした。
(庭で栽培していた)アシタバについていたようです。 
アシタバを食べて育った幼虫ですから、アシタバをあげられれば良かったのですが、スーパー等では売っておらず、さりとてYさんにいただくわけにもいかず・・・・。
日頃買うことのないパセリやらセロリを与えてみましたが、ほとんど食べてもらえず、みんな死んでしまいました。
「そりゃそうだよなあ、パパも、お米ばっかり食べて育ったから、パンだけ食ってろなんて言われたらいやだもんなあ・・・・。」等と子供達と話しておりました。

(9月)1日に(幼虫を)頂いて、(9月)3日にサナギになりました。
今朝(9月12日)、小学校に行こうとした次男が、
水槽の底に落ちていたキアゲハを発見しました。
何とか生きていましたが、外は生憎の雨。
屋根の下にあるプランターに植えたアシタバに止まらせてあげました。
(餌用にAmazonで取り寄せたのですが間に合いませんでした)
元気になってくれると良いのですが・・・・。」


【注】
 「ナミアゲハ」と「キアゲハ」は成虫の姿かたちはそっくり(わずかに黄色の濃さが違うだけ)なのに、食草は全く違います。
 「ナミアゲハ」は柑橘類の葉、「キアゲハ」はセリ科の植物しか食べられません。
 鉄鋼マンさんの文中のコメントはジョークと思いますが、人間はパンもご飯も(好き嫌いはさておいて)食べられますが、昆虫にとっては食草の違いはとても厳格なもの。
 「ナミアゲハ」は卵を産みつけようとする植物の葉を前足で「ドラミング」と呼ばれる方法で細かくたたき、(揮発する10種類の化合物の比率を)味のようなものとして感じ、判断し、産卵しているとか…。
 《参考》JT生命誌研究館 昆虫食性進化研究室 HPに記載があります。
     アゲハ類の進化と食草の変化・多様化が大変興味深く感じます。 
     https://www.brh.co.jp/research/lab01/
 セリ科の植物は種類によって、人間の味覚でさえずいぶん違いを感じます。
 生まれてすぐに食べはじめた食草それぞれの細かい化学成分を幼虫は感じとり、さなぎになるまで食べ続け、同じ科でも途中で食草を変える事は困難なのかもしてません。
 さらに、人間用に売っている野菜は、どうしても多かれ少なかれ農薬が使われていて、昆虫の飼育用に用いるのは、むつかしいようです。
 私は自宅で柑橘類の鉢植えをナミアゲハの誘致用に育てていますが、毎年産卵してくれます。
 ここ数年、それらを希望者に貸し出し、いろいろなドラマのご報告を頂き、一部はこのブログでもご紹介しています。
 キアゲハを産卵から羽化まで丁寧に観察したければ、誘致目的でセリ科の作物をご自宅で育ててみませんか? アシタバは次々葉が出て生長がはやいので食草向きかも?です。
 とはいえ、厳しい自然界で、1匹でも羽化できたのは良かった。(小池常雄:注記)

文章:鉄鋼マンさん 
写真:    同 
ブログ編集・注記:小池常雄

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