生物多様性の一つ 環境の多様性 のために…
[橋詰の左側の高木2本にカワウが7つがいが営巣中。 足元のテントはフン避け] |
1月21日土朝、またも井の頭公園の観察会に参加。
この活動はいつものように公園を管理している東京都西部公園緑地事務所の主催、環境NPO生態工房・ボランティア団体かいぼり隊の協働運営。
最初に、この日の観察ポイント説明と、子どもづれ家族と大人班2班に班分け。
この活動では「浅場」と呼んでいるのだそう。
井の頭池は、ほとんどが水深がある池だから「浅場」と呼んでいるとの事。
橋を渡った先の西岸に立つ高木2本にカワウのミニコロニーがあり、営巣中。
こちら側から見ると、順光なので、白いフンで汚れた巣の下が良くわかる。
[7つがいのカワウが営巣中の池の端の高木] |
白いフンと共に足元には、ザリガニを食べた後のゴミが…。
ギンブナの食べ残し ( 正確には、食べ損ね ) が干物になって転がっている。
岸辺の柵の外には、小鳥が猛禽に襲われ、毛をむしられた痕が…。
食べられたのは、ドバトかな?
こんな、ヒトの通行が多い場所にあるということは、かなり早朝の出来事か?
1カ所の浅場の岸で生態工房のS氏から、この環境を作った目的と効果・影響を解説。
ガマなどの湿性植物は、改修したら自然に地中に埋まっていた(埋土)種子が芽吹いたものかたくさんあったそうで…。
かつて工事した時の様子。
軟弱地盤だったので、重機(バックホー?)を入れる敷き鉄板を敷いて作業した…という説明。
工事から時間がたった現在の様子。
工事の時の様子を現在の場所に重ねるS氏。
公園として利用されてきた歴史の中で、意外に深く浚渫されてきた井の頭池。
その中に浅場を作ることで環境の多様さが生まれ、生物種の多様性を産む。
オオバンが2羽でくつろぎ中。
葦島の全景。
乾地化して大きな木が生えてしまったものを改修し、湿地に戻したとの事。
葦島と呼ばれるこの池最大の浅場を再生することによっては自然に生えてきたイグサ。
この池に数匹しかいない希少種コガモのツガイ。
コガモのオス。 頭部が綺麗なのだけれど…。
この日の特別イベントが、この葦島に木製板で橋をつくり、渡れる…というもの。
丁寧に都庁の職員さんが橋をかけてくださっている。
かいぼり隊の人も丁寧にサポート。ありがたく。
葦島の中で、復活してきた湿性植物を解説するS氏。
少し離れた場所では、かいぼり隊の面々が何やら一生懸命作業中。
聞けば浅場に繁茂したガマや落ち葉などを除去しているのだそうで…。
掲示しながら作業が進められていた、作業内容の説明パネル。
下の写真は、この日の作業の後。
何か荒らされたようにも見えるけれど、これは人為的な「攪乱」。
自然界では、時々、洪水や大水が起きて、地上の植物などが洗い流される事象が起こるけれど、この公園の環境では起こらない。
ついてはヒトの手で、人為的に自然現象の代わりに攪乱を起こして、更新を図っている…との事。
この資料の上の段は、今回のような作業で行ってもいいこと。
もっとあってもいいのだけれど…とつぶやくS氏。
この浅場は、最初は市民ボランティアの手で、再生・整備されたという…。
珍しく観察会のすぐそばに、カワセミがとまった。
この浅場は、最初は市民ボランティアの手で、再生・整備されたという…。
かいぼり隊の作業で、地中から姿を現した二ホンヒキガエルのペア。
この寒い中、早々に子作りに励んでいたのに邪魔され、衆人の目にさらされて迷惑千万!!
珍しく観察会のすぐそばに、カワセミがとまった。
この日は長い焦点距離のレンズは持っておらず、300mmのレンズではこれが限界。
人々の暮らしの喧騒のすぐ近くに生き物たちの暮らしがある。
文章:小池常雄
撮影地:井の頭公園
撮影日:20230121
引用:ブログ中の写真や図は、生態系工房によるもの
ブログ編集:小池常雄
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